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139話 捕獲

 聞き出した情報をもとに、化け物対策を取り除いく指示を出していたものを見つけていく。

 そいつがどんな意図でこんな指示を出してるのか分からないが、探ってみる価値はある。

 化け物にたどり着く理由にもなりえる。

 ある程度定期的に接触をしていたようで、会う日時はほぼ決まっているという。

 鳥居だけが残ってる神社跡がその場所だとも聞いている。

 どれほど間隔が開いても、一週間に一度くらいは顔を見せに来るらしい。

 ここ最近はほぼ毎日のようにやってくるとも。

 時間もほぼ一定なので、その付近で張り込みをする事になった。

 化け物除けの再設置と拡大も同時進行でやっていく。

 化け物の動きに反応する警報も用いて動向の察知にもつとめていく。

 より確かな情報の入手に努めていった。

 現地での協力者も見つかってきたとはいえ、まだまだ調べねばならない事は多い。



「でも、本当に化け物見ないっすね」

「ああ」

 張り込み中の暇の中、それを紛らわせるように口が開いていく。

 相手が出てくるのを待つだけなので、とにかく暇である。

 日時は大まかに分かってはいるが、それらが前後する事は多い。

 その為、余裕を持って事前から見張る事になる。

 おかげでやる事がない。

 携帯ゲームなどを持ち込むなどで暇を潰せれば良いのだが、なかなかそうもいかない。

 どうしても警戒を怠る事になる。

 なので、極力そういった注意がそれるようなものは持ち込まない事にしている。

 それでも退屈になるので、無駄話が多くなってしまう。

「何かいるのは分かるんですけどね」

「そうだな」

 現状確認的な事を口にしながら、ただひたすらに待つ。

 もっとも、言ってる事は実際に不可解と思える事ではあった。

「本当に化け物がここから出入りしてるんすかね」

「そのはずなんだけどな」

 少なくとも化け物はこの町の方面に向かって足跡を残してる。

 とはいえ、それも大まかな位置を示すというだけで、町に何かがあると判明してるわけではない。

 町の近くではあるが、もっと別の場所からやってきてるのかもしれなかった。

 だが、そうであるにしても町が全く無関係という事もない。

 わざわざ化け物除けを鳥の祖いていた事からもそれが伺える。

 全く関係が無ければ、わざわざ撤去する必要も無い。

 何かしら化け物と関わりがあるからこそそんな事をしてると思えた。

「掴まえてみないと分からんけどな」

 真相を確かめるためにも、そうするしかなかった。

 だからこそ待っているのだが。

「暇っすね」

「ああ」

 何もしないでいるというは結構苦痛なもので、だんだんと気持ちがゆるんでいく。

 社務所の裏側を見張れるよう、藪の中でそこを見つめているというのも結構つらいものがあった。

「これで誰も来なかったら最悪っすね」

「まったくだ……」

 何の成果も無いのが一番こたえる。

 そうならないよう願ってしまう。

 それこそ、修養値を用いて運を引き寄せたいと思うほどに。



 幸いな事に、求める相手はやってきた。

 社務所の裏に来た柄の悪そうな若いものが、誰もいない社務所裏で辺りを見渡してる。

 不良達がそうであったように、その若いのも昭和の雰囲気を残していた。

 妙に派手な柄のシャツにパンチパーマ。

 一目でそれと分かるような格好をしてるのが特徴だった。

 そいつが誰もいない社務所裏で首をかしげている。

 誰もいない事を訝しんでるようだった。

 そんな昭和風味チンピラに、カズヤは気力を絡ませていく。

 動きの阻害を行い、逃げ出せないように。

 相手の動きを鈍らせるのが目的だった。

 逃げ出されると面倒になる。

 相手はそれに気づく事もなく、しきりに周りを見渡している。

 携帯も取り出し電話をしようともする。

 だが、このあたりは通話不能なのでそれも出来ない。

 そんなチンピラの方にカズヤは向かっていく。

 コウジも後ろから続き、藪から出ていこうとする。

 近くにいくまで警戒されないよう、極力音を立てないようにしていった。

 簡単に逃げ出せないように気力を絡み着かせているが、それでも距離があると手間が増える。

 ある程度近づくまでは気取られたくなかった。

 幸い相手はその場にいないものたちの事が気になってるようで、カズヤ達には気づいてない。

 藪の中から少しずつ進んで行くカズヤからすればありがたいものだった。

(だるまさんが転んだみたいだな)

 こんな時ではあるがそんな事を考える余裕はあった。

 いや、余裕がないからそんな事を考えてしまうのかもしれない。

 相手は苛立たしげに周囲を見渡すのだが、カズヤ達に気づいてる様子はない。

 いるはずの連中がいない事に腹を立ててるのかもしれなかった。

 おかげで意識が散漫になっている。

 好都合としか言いようが無い。

 そんな相手にギリギリまで近づいて、一気に距離を詰める。

 いきなり藪の中から出て来たカズヤ達に相手も驚いたようだが、カズヤの方が早い。

 気力で動きを強化していたカズヤは一気に距離をつめて、相手に拳を打ち込む。

 顔面でそれを受けた相手は、衝撃で社務所まで吹き飛ぶ。

 それでもカズヤは止まらず、相手と掴んで地面に引きずり倒す。

 あとはコウジが手足を縛りあげて拘束していった。

 口を塞ぐのを忘れない。

 目と耳も塞いだところで、トランシーバーを取り出して仲間を呼ぶ。

 捕らえたものを連れ出して情報を聞き出さねばならない。

 車で来てもらい、自分達と捕らえた男を回収するよう頼んだ。

 17:00更新予定。

 木曜日定休…………だったけど、来週から土曜日に変更予定。

 誤字脱字などありましたら、メッセージお願いします。

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