初戦闘
まずは5m程あった距離を再び詰めて同じように攻撃した。橫凪ぎにした剣は兎を捉え、攻撃を受けた苦痛に顔を歪め体制を崩した。流石に無表情ではなかったか。
《ギィッ!》
「おっと!」
お返しとばかりに頭に生えた角で俺を串刺そうと頭突きしてきたが、横に飛んで回避。先程の説明にあったように、回避にもアクティブゲージを使用したみたいだが、攻撃してから少し間があったため殆ど全回復している。アクティブゲージに注意してないと避けるのも出来なくなってしまう危険がある。
「たぁっ!そりゃ!」
攻撃した後の兎の後ろ頭を二度斬りつけた。この攻撃で体制を崩して転倒した兎を、さらに二度追い打ちとして斬りつける。
兎の頭に見える細長い棒、おそらくライフゲージだと思うが、それが赤く点滅している。あと一度攻撃したらライフゲージがゼロになる。そう思った俺は未だに転倒してじたばたと起き上がろうとしている兎にトドメの一撃を見舞った。
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【戦闘終了】
モノコーンラビットを撃退した。
【取得アイテム】
モノコーンラビットの毛皮 × 1
モノコーンラビットの大腿肉 × 1
10E
【クエスト チュートリアル!】 クリア!
初心者回復薬 × 5 を取得しました。
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リザルト画面が窓に表示されて、初めての戦闘が終わったことを告げた。正直爺さんの相手をしているから何ら苦と感じる事もなかった。あの爺さんを倒そうと思ったら不意打ちに罠に使わないと勝てそうもない、というかそれを使っても恐らく勝てん。
爺さんの事は置いといてだな。
このゲームはよく出来ている。出来すぎていると評価しようか。
攻撃回数が無限にあるとザコ敵をバッタバッタ倒す無双ゲーのようになるし、何より剣道などの武術経験者がかなり優遇される。
しかし、アクティブゲージという制限を設けることでそのアドバンテージをゼロとまではいかないが抑えることは出来る。
そして、このアクティブゲージを上手く活用するためにはやはりパーティプレイが必須と言えるだろう。ソロだとアクティブゲージがゼロになったときに、攻撃も回避も防御も出来なくなれば敵に殺られる事になる。
だが、仲間が居れば、アクティブゲージがゼロになることなく、代わり代わりに絶え間なく攻撃する事も可能だ。さらに盾役や回復役、攻撃役などの役割が発生し、より効率的に、流動的に魔物と戦うことが出来る様になる。
うーん。ドリーミィライン社恐るべしと言ったところか。このシステムは面白い。まあ過去に似たようなシステムを搭載した2DのRPGゲームはあった筈だが、VRとしては初の試みだろう。
だがしかし、パーティプレイが効率的であると分かったからといってパーティプレイをしようとは思わないのが、俺である。逆に目下の目標も出来上がった。こうなりゃとことんまでソロプレイを楽しもうじゃないか!
まずは、アクティブゲージに慣れる事から始めようか。恐らくFLO運営の目論見はファスト草原でFLOのシステムに慣れて貰うこと。その為に一体ずつしか魔物が出現しないようになっているんだろうし。暫くの間練習させて貰おうじゃないか。
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