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怪人視点の英雄譚  作者: 悪の組織の下級書記
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悪の力

プロレスの用語でヒールというのがある

いわゆる悪役というやつだ

正々堂々戦うレスラーに対して

反則技や凶器攻撃を繰り出し追い詰める


歓声と激励を受けてリングに入るレスラーと違い

ヒールレスラーは罵声と怒号を浴びて入場する

当然だ、悪役なのだから


舞台を盛り上げる為に卑怯な行為を働き

観客とレスラーの心が一つになった時

ヒールは敗北の美酒に酔う


リングに倒れながら浴びる喝采は

照明に眩む視界と混ざりあい

天に昇る様な幸福感を演出する


最後の舞台の日

首を痛めたまま戦った俺は

本物の天に登ったらしい

真っ白な視界が急に暗くなり

歓声と喝采も消え去り

何処からか声が聞こえてきた

(力が欲しいか、と)



力に興味は無かったが

もう一度味わえるなら、もう一度

「悪役になりたい」




覆面レスラーの様な怪人は

倒れる英雄を足蹴にしながら吠える

「どうした英雄!俺を倒してみろ!」


英雄は反撃しようとしたが、腹に蹴りを入れられ

悶える体を曲げる姿は哀れみすら感じる

怪人は英雄を容赦無く掴み上げ、放り投げ

声を高らかに吐き捨てる

「倒せないなら、喝采は俺の物だ!」


天を仰ぎ叫ぶ怪人は

勝利の美酒に酔いしれた

レスラーって格好いいですよね

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