22/31
格好良さ
あの人は言っていた
英雄でも守れない物があり
英雄でも勝てない時があり
そして英雄には出来ない事がある
彼等はいつも遅れてやってくる
彼等の存在は抑止力にもならない
なら、彼等は必要なのか?
あの人はそう言っていた
けれど僕は憧れた、そんな英雄に
そんな矛盾した存在と悲しい力を振るう
格好良い彼等に憧れた
「最初は君達に憧れてたんだよ?」
そう言葉を紡ぐ孔雀の怪人は血と言葉を吐き
満身創痍の身体を何とか立たせながら
激しい戦いを繰り広げた英雄に語り掛ける
「君達はとても格好良かった」
威厳ある鶏冠は千切れ
煌びやかな羽は血で穢れ
美しい蒼碧の胸甲は砕け、儚さを感じる程だ
「それに比べて、僕って格好悪い…な」
赤い英雄はとどめを刺し
地面に倒れる彼の姿を見て無言のまま去って行った
悲惨な身体を晒し悲痛な傷を露に死んだ孔雀の怪人
そんな彼の最後の姿は、他に表しようも無い程
格好良かった
ほら、俺ってイケメンじゃん?




