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地獄の門  作者: 赤城康彦
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人魔決戦 八

 影、地獄の門は猛烈な勢いで風を起こし、風を吸い込み。風に吹かれた魑魅魍魎は次々と地獄の門へと吸い込まれてゆく。

 楓太郎は足を踏ん張って風に耐えた。しかし、戦いによって打撃を受け疲弊もあり。力を込め続けることなど不可能であり。

「あッ!」

 と叫ぶとともに、帝釈天の独鈷杵は地獄の門へと吸い込まれていった。このままでは己も地獄の門に吸い込まれてしまう。と思ったとき。影は薄らいで、覇偉栖の顔がのぞく。

「ふふふ。帝釈天の独鈷杵を地獄に落としてやったぞ。ふはは、あはははは!」

 完全に影がなくなってみれば。覇偉栖の胸はなにかに貫かれたかのように穴があき、血がしたたっている。

「ざまを見よ……」

 それが、覇偉栖の最後の言葉で。不気味な笑みを浮かべたまま、仰向けにどおっと地に倒れて。そのまま動かなかった。

 それと同時に天も雲が晴れて、太陽が姿をあらわした。

「う……」

 鬼どもに阿修羅、魑魅魍魎に覇偉栖をたおして。楓太郎の身体から、どっと力が抜けた。阿修羅から食らった一撃も、今になってこたえてきて。立つこともできず、四つん這いになって、それから仰向けに倒れた。

 帝釈天の独鈷杵こそ地獄に吸い込まれたものの、魔物どもはこの人の世から失せた。勝った、と言ってよいであろう。

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