4月。学校での戦いに臨む事。
あたしって、ほんとバカ
「僭越ながら、お相手させていただきます」
瞬間、木之絵馬に迫る。
それを見計らって、木之絵馬は先に攻撃を仕掛けた。
一歩、木之絵馬は後ろに下がり、代わりに腕がすごい勢いで前進……というより、あれはむしろ人が殴るモーションに近いものだった。
それに気づいたのかとっさに鋏で防いだが、衝撃までは殺せなかったのか、ブーツの底をすり減らしながら部屋の外へ吹っ飛んだ。
――いや、わざと吹っ飛ばされたのか。相手は場所が悪いと踏んだのか、入口まで攻撃を抑えて威力を殺さず、そのままの勢いでドア近くの窓へと背中から突っ込んだのか。
窓は激しい音を立てて割れ、そのままメイドは落ちていった。
木之絵馬はそれを追って自分も窓から降りて行った。
「……さて、アキラ。僕らは逃げるとしようか」
「え?」
一気に静かになった部屋の中で魔導書は提案をした。
「何を素っ頓狂な声を上げているんだ? 僕ら……主に君には戦う力がない。君が本を読まない、というのであればなおさらだ。向こうに行ってもただあの魔術師の足手まといになるだけだ」
「……反吐が出るくらいの正論をありがとよ」
「それで事が足りるならいくらでもするがいいさ。――それとも、君は今すぐに本を読む努力を、今この場でして、そして助けに行くのかい?」
「だが本は読まん」
「ならば逃げるしかないだろう。とるべき道は二つに一つ。読むか、逃げるかだ」
……なんか、どこぞの漫画でもそんなことを言っていたような気がするな。
場違いにもそんなことを思っていた。
しかし、いくら木之絵馬が強くても相手は自分の家で自宅待機している魔人と同じくらいのスペックを持っている奴だ。勝てるかどうかわからない。
さて、どうしたものかと思っていると、後ろから肩をたたかれた。
振り向くとそこには、瓢さんがにこにこしながら立っていた。
「……なんですか、瓢さん」
「いやあ、いいですねぇ。悩める若者。青春の特権じゃないですか」
「そんなことを言っている場合ですか。早くしないと、木之絵馬が」
「美奈子君なら大丈夫ですよ。きっと。あの子はそんなにヤワにできていませんからね」
「ヤワ、って……」
まるで殺しても死なない、そんな感じに話しているみたいだ。
「まぁ、それでも君が心配する理由もうなずけます。そりゃあ、女の子一人で戦車に立ち向かっているようなものです。心配でしょう……そこで」
瓢さんは一つの提案をした。
……なるほど。それならば木之絵馬を助けることができるかもしれない。
「……僕は絶対に反対だ。それは危険すぎる」
「なんだ、ベブズ。お前怖いのか?」
「怖くはない。しかしリスクが大きいと言っているんだ」
「戦いにはリスクがつきものですよ。だからこそ面白くなるんじゃないですか」
そう言って瓢さんはあるものを渡してくれた。
「――どんな賭け事でも安全な手では勝ちに行けない。時間制限ならなおさらです。大穴を狙うならばこちらも相応のリスクを背負わなければいけません。……あなたにはそれが、できますか?」
今回の没ネタ。
「……反吐が出るくらいの正論をありがとよ」
「それで事が足りるならいくらでもするがいいさ。――それとも、君は今すぐに本を読む努力を、今この場でして、そして助けに行くのかい?」
「だが本は読まん」
「ならば逃げるしかないだろう。とるべき道は二つに一つ。読むか、死ぬかだ」
「……お前それ別の作品じゃね? しかもそれ商業じゃね?」
「わかるかい?」
――Read or Die?――




