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オッサンと少年の入れ替わり。オッサンは異世界で美味い料理を作り、少年は日本で無自覚に色々やらかす。  作者: BIRD


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ep187:変態オヤジ現る

 ペアチケットに書かれている学祭の開催二日前。

 ガリア王国の首都フルールでは、街のあちこちでチラシを配りつつチケットを手売りする生徒たちの姿があった。


「フルール魔法学園の学祭チケットいかがですか?」

「美味しいと評判の学食の食券つきですよぉ~」


 学生たちの中には、クロエの姿もある。

 聞き覚えのある間延びした女の子の声がすると思ったら、ジャックさんの店にいた眼鏡っ子もいる。

 どうやら二人は同じグループで出店するらしい。


「ウヘヘ、おじさんが全部買ってあげようか?」


 …なんか変態オーラ漂う男が話しかけているぞ。

 若くて可愛い女の子たちを見て、デレデレした笑みを浮かべている。

 下心が丸見えじゃないか。


「えっ、ほんとですかぁ?」


 眼鏡っ子がのほほんとした顔で喜んでいる。

 ……天然か?

 隣のクロエは露骨に嫌そうな顔してるけど。


「うんうん、おじさんはお金持ちだからね。チケット全部買ってあげるよ」

「嬉しいですぅ」

「チケットが完売したら暇になるだろう? おじさんの家でお茶でもどうだい?」

「え~、いいんですかぁ?」

「駄目よナチュ、チケットは1人1枚でしょ」


 こんないかにも怪しい男に騙される子、今時いるか?

 眼鏡っ子ナチュは本気で喜んでいるらしく、変態オヤジに持っていたチケットの束を渡そうとする。

 クロエが慌てて止めた。


「大丈夫だよ、誰も告げ口なんかしないから。おじさんも内緒にしておくからね」

「いえ、買い占めはお断りします。チケットを売る目的はお金儲けではないですから」


 ハッキリ言い返すクロエは、真面目なしっかり者に見える。

 下心が透けて見える変態オヤジの顔から、デレデレした笑みが消えた。


「君ねぇ、そういう言い方はよくないだろう? せっかく親切で買ってあげようって言ってるのに」


 ……親切っていうより、下心だろ?

 不穏な気配を感じた僕は、気づかれないように変態オヤジの背後に忍び寄る。


「一人の方に大量のチケットを渡したら、使い切れずに余らせて無駄になってしまいますから」

「そんなことはないさ。おじさんは知り合いがたくさんいるからね」


 言いながら、変態オヤジはナチュに手を伸ばす。

 僕はその手が彼女に届く前に、回り込んで間に入った。


「こんなところにいたのか。探したよ」

「ウォルさん!」


 探しに来たふりをして言うと、クロエがホッとしたように声を上げる。

 自分の身の危険に気づいてなかったナチュはキョトンとしている。

 変態オヤジはチッと舌打ちして、その場から立ち去っていった。


「はいこれ、アイスクリームの天ぷらだよ」

「不思議なお菓子、外は熱いのに中は冷たいですね」

「サクッとしてトロ~ですぅ」

「アイスクリームをガッチリ冷やし固めてカステラで包んで揚げるだけだから、学祭で出してみるといいよ」

「いいですね! 二日目のメニューにします!」


 マジックバッグで揚げたてを維持していたアイスクリームの天ぷらを渡すと、クロエもナチュも迷わず食べて感想を述べる。

 アイスクリームの天ぷらは、学祭の二日目に出すことになった。

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