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或る三文作家の恋文~婚約破棄された令嬢は、ペンの力でさくっと復讐を終わらせる~  作者: 美海@『承香殿の身代わり姫君』発売中


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20/20

エピローグはハッピーエンドに決まっている

 第二十代国王セドリックの妃アレクサンドラは『悪妻』の代名詞として名高い。

 彼女は生まれこそ高貴な侯爵家の出身だったが、彼女が結婚する頃には生家は没落しており、平民同然の暮らしをしていたという。しかし、彼女のたぐいまれな美貌に惚れ込んだセドリックが、彼女の言うがままに強引に縁組を進めたのだとか。


『私に求めるものが何なのか、はっきりと明確に仰ってくださらない? あなたがたがくだらない派閥の張り合いをするのは結構だけれど、私を巻き込まないで。私、あなたと仲良くしたくないの。そのうち、何かに巻き込まれるでしょうし』


 結婚当初、遠巻きにされて馴染めずにいる王妃を気遣って声をかけたというのに、けんもほろろに無下にされたと悲嘆にくれる某伯爵夫人の日記も残っており、アレクサンドラが傍若無人なふるまいをしていたことは事実だろう。

 なお、この某伯爵家は、その直後に不当に領民の税額をはね上げていたことが領民からの直訴で発覚し、貴族社会全体を巻き込む疑獄事件の端緒となるのだが、それはまた別の話である。


 まったく、とんでもない王妃である! 彼女を妃に選んだ国王もどうかしている!


 ……だが、彼女のわがまますぎる性格にもかかわらず、夫婦仲は非常に仲睦まじく、不思議なほどに彼女たち夫妻は民から人気があったという。


『私が死んだら、私の財産は、全部、民のために使ってください。お墓や葬儀は簡素でいいわ、どんなに豪華にされたって、私は楽しめないんだもの。それよりも、民のために使って、『立派なひとだった』って評判を残す方が、ずっと効率的でしょう。ねえ、絶対に、そうしてちょうだいね。約束を破ったら化けて出ますからね』


 彼女が長い長い年月を過ごした後、命の灯を吹き消すとき、最期までふてぶてしかった国母の遺言を知って、国民たちは泣き笑いし、彼女の死を悼んだという。


 そう。だから、この話はこうやって締めくくろうではないか。


 ――そして二人は、たくさんのひとに嫌われましたが、それよりたくさんのひとに愛されて、たくさん喧嘩もしましたが、そのたびに仲直りもして、全部ひっくるめて見ればまあまあ幸せに暮らしました、と。

ここまで読んでくださってありがとうございました!

できれば感想や評価(⭐︎マークをタップ)、ブクマなどもいただけたら、とてもとても嬉しいです!

また、カクヨム版(https://kakuyomu.jp/works/16818792438668630660)が全然読まれてないので、こちらも評価などしていただけたら嬉しいです!

よろしくお願いします!

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