表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/96

第5話 昔話

◆◆


 ――昔々、ユリエット王国に魔女がいました。


 魔女は国のために、沢山の善行をして、大勢の人から慕われていました。

 しかし、ある時から、魔女はおかしくなって、国にとって悪いことをするようになりました。

 王族も民衆も、どうしたものかと困り果てていたところ、魔女はようやく告白しました。


 ――自分の寿命が迫っていることを……。


 死が恐ろしくなって、悪行を重ねてしまったのだと……。


 晩節をこれ以上穢したくないので、城を一つ所望したい。そして、自分の介護を頼める召使いを一人つけて欲しい。


 魔女の頼みを、お安い御用だと、王は請負って、早速、山間の「サロフィン城」と、貧乏男爵家から金で買収した「召使い」が彼女のもとに献上されました。


 これで静かに穏やかに、彼女は亡くなるのだろうと、誰もが思ったわけですが……。


 しかし、誤算だったのは、その後、魔女がしぶとく四十年も生きるということを、本人も含めて、誰一人予想していなかったことでした。


 魔女は、召使いに自分のもとから離れられないように、城から出たら、死んでしまう呪いをかけました。

 召使いは、城内では老いることはありませんでしたが、その代わり、外に出る自由を失いました。


 ……そして。


 召使いは魔女の死後も一人、魔女に掛けられた呪いが解けないまま、己の寿命が尽きる日まで、ひっそりと生き続けているのです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ