ガーコと指輪
ぼくはガーコ、カラスなんだ。
あそこにいるのは、ぼくにいつも残り物を分けてくれるおねいさん。
りょうていで働いていて、いつもごみ出しをやっているんだ。それで、美味しそうな物をぼくにこっそり分けてくれる。
あ!呼んでる。
バサァ。
羽を広げてきゅうこうか!。
「さあ、今日はわぎゅうステーキよ。」
おねいさんがぼくにお肉を分けてくれた。
「お客さんがぜんぜん食べなかったの。」
おねいさんはいつもぼくに話しかけてくれる。
ツンツンツン
「おいしーい!。」
ぼくはむちゅうになってたべた。もったいないなー。いつもぼくは思う。
「今日ね。お母さんにもらった大切なゆびわを無くしちゃった。」
おねいさんは悲しそう。
本当だ。いつも指にはめていたゆびわが無くなってる。
よし、いつもの恩返しに探しに行こう。
カァー。「ぼくが見つけてくるね。」
バサバサバサ。
ぼくは、おねいさんの前から飛び立った。
ヒュー。
お空をせんかいして、夢の島にひとっ飛びー。
ここは、皆のごみが集まるところ。ぼくの仲間がいっぱい居る。ぼくたちは輝く物がみんな大好き。
「ねーねー。ピンク色のきれいなゆびわ見なかった?。」
みんな首をふって、
「知らないっよ。」
て言ってる。
「おかしいなー?。」
じゃあこんどは、街の中を探検だー。
ビュー。
もう夜になって、街が色んな色に輝いてる。
「それ。」
ゴミ箱めがけてきゅうこうか。
ゴミ箱に集まった仲間に、
「ねー。ピンク色のゆびわ知らない?。」
みんな首をふって
「知らないよー。」
て言っている。
「おかしいなー?。」
じゃあ別のところに、
バサバサバサ。
「こんどは公園へ行ってみよー。」
ヒュー。
みんなが寝るために集まってる。
静かにそぉーときゅうこうか。
起きてるみんなに、
「ピンクのゆびわ見なかった?。」
みんなが首を横にふり、
「知らないよー。」
あれ!首を縦にふっている。
急げ!。
ビュー。
近づいて見たら!。
コクコクコク。
居眠りしてるだけだった。
「しょうがない。戻ってみるか!。」
バサバサバサ。
ビュー。
いつもの電柱に戻ってみた。
もう遅いし、明日また探そうー。
キラリ!。
月の光になにかはんしゃしたぞ。
おねいさんがいつもごみを捨てる場所が光った。
ビュー。
ゴミ箱のかげに発見しだ!。
「おねいさんのゆびわだー。」
大事にくちばしではさんで電柱にひと飛び。
バサバサバサ
朝まで寝ないでおねいさんを待つぞー。
うとうと。
「は!あぶない。」
眠気でゆびわを落としそうになっちゃた。
「頑張るぞー。」
もう眠くて限界だー。
チュンチュンチュン。
すずめが朝の挨拶をしはじめた。
「あと少しだ。」
「おはよー。」
おねいさんが出てきたぞ。
ビュー。
おねいさんの前にゆびわをポイて置いた。
「わー。ありがとう。ガーコが見つけてくれたのね。」
おねいさんは涙を流して喜んでる。
ぼくもうれしかったけど・・・・・。
クァー。「おやすみなさい・・・・・・。」