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入園式

あれから暫く経って、俺は幼稚園の入園式にきていた。

人生をやり直し、塾を運営している父の指導などもあってか、勉学系のスキルのレベル上げがかなりできた。スキル取得の条件は教科書を一言一句隈なく見ることなど、多少面倒臭いが、現実は教科書をただ読むだけでは理解はできないので、正直努力をすれば地頭関係なく、天才児になれる。そしてこの世界のシステムの一番便利な所は得た知識はスキルとして蓄積されるため、忘れないということにある。


ただ両親が天才と持て囃し、遠くの私立の幼稚園に通わされそうになった時はかなり焦った。

「パパとママと一緒にいる時間を削られたくない」とうるうるした目で懇願すると

地元の幼稚園への入園が決まった。

中学校で雪ちゃんと会うため、変に私立の幼稚園に入ってしまうと、そのままエスカレーターで進学校へ行かされる可能性を考えたからだ。


入園式も終わり、母がママ友たちと長話を開始していた。こりゃ長くなるな…あいにくストッパーの父は仕事で来れなかったしな。


「少し園内でも探索するか」


俺はこの幼稚園を以前の人生でも通ったことはあるが、正直なところほとんど記憶がない。

ただ間違いなく、俺の人生の全盛期だっただろう。何しろここからは引きこもりデブニート人生なのだから


探索していると退屈そうにぽつんと座っている幼女が

よく見ると可愛いぞ。こういう子と最初から仲良くしておけば、大人になったとき出会いが広がる。可愛い子には可愛い子が集まるというやつで、いわゆる先行投資ってやつだな。

いや、俺はあくまでも雪ちゃん一筋なんだからね!と心のなかでまだ付き合ってもいない雪ちゃんに謝る。


「退屈そうだね。君のお母さんも長話してるの?」


女の子はビクッと身体を震わせると、変質者を見るような目で俺を見てくる。そういう扱いは慣れてるけども…話しかけただけなのに


「な…にかわたしにようですか?」


まだまだたどたどしい日本語で返事をする。

まあ園児なんて、こんなものか俺が異常なだけやな。

何か警戒されているようだ。もしくは重度のコミュ症


「怪しい者じゃない。暇潰ししてて良かったら話さない?僕の名前は高原涼介。気軽に涼介って呼んでくれ」


「たかはらくん…?」

即名前呼びはハードルが高すぎたか。俺の提案を蹴ってきた。悲しいな。


「君の名前は?」


「わ、わたしはやよい。みやむらやよい」



え、そこで聞いたのは前の人生で最後に話した旧友の名前だった。

こんな大人しそうなやつだったけ?

こうして、思わぬところで幼なじみとの再会を果たした。


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