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第17話 チェルシー強化作戦

 これから起こることを事前に伝えておけば、クエストの成功確率も少しは上がるはずだ。


 俺は、ルルナ、チェルシー、鉱山夫の男性に話し始めた。


 しかし、俺が《真心弁当》の攻略手順を説明すると……、


「はあぁああ!? 俺の可愛い嫁さんが、そんなことするわけねぇだろうがよぉ! 寝ぼけてねぇで、早く行くぞ!」


 鉱山夫の男性は、聞く耳持たずといった様子で外へ出て行ってしまった。


 そして、前回と全く同じシチュエーションとなり、結局クエストは失敗に終わってしまった。



 ◆



 その後、俺は何度か失敗を繰り返した。


 その結果、判明したことがある。



 ・『名もなき女性』とのバトルは絶対に回避できない


 ・『名もなき女性』と戦うのは、必ずチェルシーになる


 ・クエスト失敗後、俺以外の人間は記憶が元の状態に戻っている



 それに加えて、厄介なことに鉱山内でルルナが倒した雑魚モンスターは再出現(リポップ)しないらしい。


 つまり、レベリング不可能。

 チェルシーはLv1の状態で強敵を倒さなければならない、ということだ。



 ──だが、攻略の糸口も見つかった。



「チェルシー、ちょっといいか?」


 俺は鉱山の中を陽気に歩くチェルシーに声を掛けた。


「なになに? アタシに愛の言葉を送ってくれるのかしら?」


「いや、プレゼントするのは愛の言葉じゃなくて『これ』だ」


 俺は亜空間から一振りの剣を取り出して、チェルシーに手渡した。


「へ? お、重い……な、なに、これ……何かの罰ゲーム、かしら……うぅ」


 涙目を向けてくるチェルシーに対し、俺は《装備制限解除》スキルを使用。


 すると──


「あっ、急に軽くなったわ! それで……この剣、アタシにくれるって……こと? なんか、禍々しいオーラを感じる物騒な剣だけど……」


「わぁ! なんだか私の『デーモンサイズ』とお揃いのような武器ですねっ」


 目を輝かせて言うルルナ。


 ルルナの言うことは当たっていると思う。

 俺がチェルシーに装備させたのは、『デーモンサイズ』と同じく裏ダンジョンで手に入れた、もう一つの最強武器『魔剣ハーティア』なのだ。



【魔剣ハーティア】物理攻撃力900

 ・ゲーム内最強の剣。装備者は特殊スキル《地獄よりの一閃(ジ・インフェルノ)》が使用可能になる。



 いくら『名もなき女性』が強くても、この最強武器の攻撃を受けたら一撃で死ぬだろう。対裏ボス用の武器だしな。


「不思議と手に馴染む剣ね……刀身が真っ黒で禍々しいけど……。でも、ヴェリオ様、なんでこの剣をアタシに?」


 ドス黒い(もや)のようなオーラを漏出させている剣。その刀身を不思議そうに見つめてチェルシーが訊ねてきた。


「渡すのは剣だけじゃない。……ルルナ、さっき手に入れた『火のリング』をチェルシーに渡してくれないか?」


 何度も同じサブクエストをやり直している俺からしたら、『火のリング』入手など、今となっては遠い昔のことのようにも思えるが。


「はいっ、わかりました」


 ルルナは俺の指示に従い、指に嵌めていた『火のリング』を外し、チェルシーに手渡した。


 そして、俺は再度、《装備制限解除》スキルをチェルシーに発動させた。


「あれ? 『火のリング』……アタシも装備できちゃったんだけど!?」


 真紅のリングを装備して、吃驚するチェルシー。


 これでチェルシーの能力は大幅にアップした。

 あとは、攻略手順を説明するだけだ。


「剣とリングをチェルシーに装備させたのには理由がある。それは──」


 俺は鉱山夫の男性の耳に届かないよう、チェルシーとルルナにだけ『名もなき女性』のことを説明した。




「──あの優しそうな女性が、そんな…………。ヴェリオさんが仰るなら、その通りなのでしょうけど……心苦しい話です……」


「だから、あの時ヴェリオ様は、お弁当を受け取るなって言っていたのね……」


 鉱山夫の男性とは違い、ルルナとチェルシーは俺の言うことを信じてくれた。

 この仲間同士の信頼の厚さは、俺たち最大の強みだ。


「引き受けてしまった以上、後には引き返せない。やるしかないんだ。このクエストの結果がどうなろうと、それは全て俺が責任を持つ。だから……チェルシー、さっき話した手順で行動してほしい…………いけるか?」


「…………ええ。アタシも自分の選択には責任を持つわ。ヴェリオ様を信じて、愛のチカラを見せてあげるわ!」


 はて……愛のチカラとは……?


 チェルシーの言ってることは、ちょっとよく分からなかったが、俺の指示通りに動いてくれるということで、クエスト攻略の算段が立った。







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