夜を伝う女神さまの雫
私たちの星、このまあるくて青い地球。
その地球とは比べられないほどに、広大で果ての知らない宇宙。
その宇宙を統べる者──見守る者がひとり。
この世界の言の葉で言う『女神さま』
おおきくてまあるい宇宙のさらに外側の世界から、白くて細い綺麗な手で宇宙をやさしく包みこむようにして、女神さまは宇宙が壊れないようにやさしく見守っています。
でも、女神さまはおおきな宇宙をひとりで守っているので、ひとつひとつの惑星の形を維持するだけで精一杯です。
ほんとうは、生物のひとつひとつに愛情を注ぎたいけど、女神さまのおおきな力を以ってしても、それは叶わないのです。
だから、女神さまはあたたかな手のひらで宇宙を守りながら、時折宇宙の外側でひとり涙を溢しているのです。
無力でごめんなさいと嘆きながら。
ぽろり、ぽろりと。
女神さまの頬を伝う、あたたかい雫。
その雫が手のひらのなかの宇宙に、ぽたり、ぽたり。
その女神さまの雫が、夜を流れる星に、流れ星になるのです。
───どうか、私の手のなかの星や生きるものたちが、すこしでも長く、幸福の中にいますように。
本当は永久の幸福を祈りたいけど…力弱き私を許して………
つうっ…と、女神さまの雫が頬を伝い、ぽたりぽたり…と、宇宙に零れる───────
────────キラッ
「あ、流れ星だ!」
「キレイねー」
今日も女神さまは宇宙の外側で皆をやさしく見守りながら、ひとり人知れず流星を溢す──────────