表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
9/11

Duel.8

アリスと僕は話をしながら森を進んでいく。


「ハヤト。貴様の世界ではどのようにレリーフを手に入れるのだ?」

「店で売ってるんです。」

「なに?レリーフが金で買えるのか?!」

食い気味で聞かれたので、半歩下がりながら

「は、はい。僕の世界では遊び道具なので」

「ふむ、聞けば聞くほどわからん世界だな。ハヤト、ということは貴様の世界ではレリーフは玩具なのだな?」

「まあ、そうなりますね」

「そうか」


アリスは少し考え込んだ。

そして、


「ハヤト。その話誰にもするな。」

「え?」

少し高圧的な印象だった。

「いいか、この世界ではレリーフは"世界の記憶"だと言われている。」

「世界の記憶?」

「ああ。存在した者たち、実在した何か、それらがレリーフとなって、今生きる人を手助けしてくれる。だからどんな人間でもレリーフに敬意を示す。」

「そうなんですか。えと、それと話してはいけないというのは?」

「わからんか?敬意の対象を玩具と同列に言われるのだぞ。」

「あ」

流石に理解した。確かに信仰をバカにするようなものだ。やっちゃいけない。

「わかりました。アドバイスありがとうございます。」


カサカサ‥

正面の草むらから子犬サイズのアリが出てきた。

「うぉあ!」

思わず声を出してしまった。


「丁度いい。」

アリスはそう言うと剣を抜きこちらに渡してきた。

「この剣であいつを倒せ。」

「ええ?!!」

「あいつはキラーアントの一種。恐らくキングアントだろう。」

キングアントと言う名前には聞き覚えがあった。そうカードだ。

「もしかしてこれを倒せば‥?」

「それは倒してみないとわからん。とにかく、やれ。」

剣を受け取るが、重い。振り回すなんて無理無理。

キラーアントはこちらに気づき顎のハサミで威嚇している。


あんなのに噛まれたら手首ぐらい簡単になくなりそう‥


重くて使えない武器を両手に、とりあえず突き刺した。


ザグッ!

うまく刺さった。


キゥィィィ!

耳が痛くなりそうな声を上げてアリは動かなくなった。


その瞬間、左手の紋章が白く光った。

時間にして2秒ほどだろうか、眩しいほどではないが輝き、そして収まった。


「まさか一度でうまくいくとはな。キラーアントは太古から存在するといわれおり、中でもキングアントは最も長命だ。

ハヤト、レリーフを手に入れるには大きく2つの方法がある。一つはこうやってレリーフを屈服させること。もう一つはレリーフに認められることだ。

生き物自体がそれであることもあるが、石碑のようにひっそりとあるものもある。目に見えないものもある。」

「なるほど。さっきのは屈服させたということですか?」

「ああ、しかし必ずと言うことではない。」

「どういうことですか?」

「詳細はわからないが、レリーフとして残るかはランダムらしい。世界の意志と言われている。」

なるほど。歴史があるものが必ずレリーフになるわけじゃないのか。

それもそうか、もし全部だったらそこら中レリーフにあふれることになる。


僕らはまたあるき出した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ