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Duel.7
奴隷になれ。
唐突な言葉だった。
「奴隷‥」
奴隷ってあれだろ、首輪とか手錠とか付けられて過酷な労働を強いるやつ。
異世界来てそんな感じになるの?
考えれば考えるほど絶望だった。
そんなこちらを見かねてなのか、
アリスが話しだした。
「ハヤト。奴隷がなにかわからないか?もしや、お前たちと私達では奴隷の意味が違うのか?」
そう言って説明を始めた。
話を聞くとこの国は奴隷制度が整っているため、いわゆる過重労働のような扱いはないそうだ。しかし他国ではそうは行かない。
奴隷紋の者は人身売買の餌食になりやすいそうだ。
奴隷紋の人間を攫い、他国で売る。
しかし、上位紋と奴隷契約がされている場合、それが解除されない限り他者から奴隷としては扱われない。
この国の奴隷認識としては召使いが近いようだ。
「‥少し、考えさせ、てください」
「ああ、構わない。とりあえず屋敷にくるがいい」
そう言うとアリスは歩き出した。