Duel.6
「にわかには信じられんな。別の世界の住人などとは。
しかし、ワルキューレといい貴様のレリーフについての知識は異常に正確だ。」
そう、先程ワルキューレの話をした際にいくつかのレリーフ=カードの話をしたのだ。
そのおかげか、とりあえず盗賊扱いは避けられた。
「そうだ、貴様左手を見せろ。」
そう言うと、こちらの答えも待たずに手を取り、手の甲を見始めた。
「ふむ。
貴様これがなにかわかるか?」
そう指し示すのは例の三角のような模様。
「いえ。なんですか?」
聞き返すと自分の手もみせてくれた。
同じような模様が弧を描くように6つあった。
「これは生まれてくると誰もが持っている紋様だ。存在力を表している。存在力が高いほどより多くのレリーフを扱えると言われている。普通は2つ以上ある。」
存在力か。ん‥?普通は2個?
「え、普通は?でも、僕1つしか‥」
「そう。貴様には1つしかない。この世界にも稀に1つしかない人間が生まれてくる。
その人間たちは皆同じ運命を辿る。存在力が低いということは、それだけ弱者ということだ。
大体のものは強者に使い捨てられる。
弱者それ故1つのものはこう呼ばれる。"奴隷紋"と。」
いまなんていった?奴隷?
完全に思考がとまった。
遠くから声が聞こえる。
「‥ぃ。‥おい。イジュウインハヤト!」
「‥ハヤトでいい。」
「ハヤト。これから貴様は私の奴隷になれ。」