Duel.4
ココハドコ、ワタシハダレ。
叫びたい。
いや、むしろ泣きたい。
「いや、まじ、いや、ほんと、なに‥」
ちびるくらいビビっている。
見渡す限り森だ。
ふと自分を調べてみた。
ポケットにはハンカチ。
なぜかカードを入れていたキャリーケースがある。
何も考えずに開けた。
「うぅあっ!」
開けた瞬間猛烈な光が放たれ目が開けてられなかった。
薄く目を開けると、ケースの中から光が空に向かっていた。
呆然と見ていると今度は光が落ちてきた。
思わず手で顔をかくした。
途端に左手の甲に熱を感じた。
「あちっ!」
手を見ると三角のような見たことのない模様が刻まれていた。
「なんだこれ‥」
さっきは一瞬熱かったが、
いまは熱くもなければ触っても痛くもない。
一人ハテナがとんでいると。
「何者だ!!」
背後から急に声がした。
振り向くと、目の前にキラリと光るものがあった。
「っ!!ひぃぃ!!」
すごく情けない声を出したと思う。
しかし、振り向いて目の前に剣を突き立てられていたらみんなそうだと思う。
「貴様は何者だ。ここで何をしている。」
声の主はフルプレートメイルの、見るからに騎士な人だった。
ヘルムのせいで声はすごくこもっている。
「あ、え、あ‥」
「はっきり話せ!」
剣を喉元に突き立てられた。
あ‥
「貴様、漏らしたのか?」
はい。あまりの出来事に‥
「貴様、言葉はわかるか?」
騎士は剣を収めて問いかけてきた。
僕は手を上げ、目に涙をためながらひたすらうなずく。
「ふぅ。‥パートナー解除。」
騎士がそう呟くと、鎧が煙になって消えた。
そして、現れたのは長髪長身色白の女性だった。
これが彼女との出会いだった。