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Duel.3
決勝の相手はあの女性だった。
リングネームは、
「Summoner(召喚者)、か」
ユニットを召喚するようなものなので、特段気にはしなかった。
お互い席につく。
「よろしく。」
挨拶に対しても女性は会釈のみだった。
勝負はごく普通に始まった。
だが、すぐに困惑した。
相手が使用したユニットカード。
僕はそれをしらない。
いや、知っている人はいるのか?
見たことのない絵。
聞いたことのない名前。
何より困惑したのはそのユニットカードの召喚条件だ。
・一番上の1枚を残し、それ以外のデッキ、サブデッキのカードを全てロストさせること。
その絵柄はとてつもなく禍々しかった。
龍?悪魔?鬼?
フリーゾーンに召喚されたとき、まるでそのカードが実体化して襲いかかってくる感覚を覚えた。
…それからさきはわからない。
襲われる!
そう思った瞬間僕は全く知らない所にいたからだ。
「な‥?!」
僕は今まで会場にいた。
いや、それどころか決勝の最中だった。
しかし、目の前には行ったこともない森が広がっている。