Duel.9
1時間位歩いただろうか、幅30mほどの川が見えてきた。
現代と違って澄んだ川で癒される。
「渡るぞ。」
そう言うとアリスは川を歩いていく。
見た感じ浅い。
アリスに続いて川に入る。
「冷た!」
陽気に反して川の水は極寒だった。
「なんだ、この程度が冷たいのか?」
いや、そうは言いますけどね。
アナタブーツ。ボククツ。
この冷たさは田舎の雪解け水を思い出す。
ピカッ!
突如左手が光った。
「な?!」
アリスが光に反応した。
そしてすぐさま駆け寄ってきた。
「ハヤト、今光らなかったか?!」
「あ、はい。光ったようです‥」
「ハヤト、貴様何をした?!」
「えぇ、なにも‥」
「先程のキングアントといい、普通はそんなにレリーフとの契約は起こり得ない。」
「な、なるほど」
話、川越えてからでもいいかな‥足の感覚なくなってきた。
「貴様は本当に異世界の者なのだな。今後も目が離せなくなった。」
アリスはそう言うとを再び川を進み始めた。
「ハヤト。自分の契約したレリーフは紋に向けて、"リスト"と唱えれば確認できる。やってみろ。」
僕は頷いてから
「リスト」
教わるがままにそう唱えた。
すると目の前にホログラムのような画面が現れた。
「これは‥ゲームとかでよくあるカード一覧‥?」
そうなのだ。DuelReliefもゲーム化されているのだが、目の前の画面はそれの一覧画面だった。
ゲームだと持っているカードは表側が表示されて、持っていないのは裏側が表示される。
「さっき契約したレリーフが表示されているはずだ」
確かに、さっきの2枚は表示されている。
しかし、その他も全て表示されている。
違いは貰ったもの以外は全てモザイクがかかったようにぼやけている。
「あの、契約した以外のところって普通はどうなってます?」
「契約したものだけがそこには映し出されるぞ。契約が増えれば表示されるレリーフが増えていくらしい。」
つまり、図鑑ではなく所有リストらしい。
そうなると、この表示はどういうことなのだろう。
特殊な状況なのは間違いないのでとりあえず黙っていることにした。
リストをひと通りみていくと1枚だけモザイクがかかっていてもわかるカードがあった。
「これは‥」