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ボス戦………一歩手前

 次の日、学校から帰った俺はさっそく『アナオン』へとログインする。

 ログインするとタスクからメッセージが届いていた。


[準備ができたら平原の入り口で集合ってことで。]


 というわけでっさそく準備を始めようと思う。昨日のレベル上げで得た素材を売り、その金を使い新たなスキル『挑発』と『威嚇』を取得する。


『挑発』

 自分にターゲット集中状態(大)を付与する。この効果はダメージを受けるまで継続し、一回の戦闘につき一度しか使用できない。

【ターゲット集中状態(大)】

 戦闘中のモンスターのヘイトをすべて自分に向ける。また、仲間がモンスターを攻撃してもターゲットが移動しない。


『威嚇』

 自身にターゲット集中状態(小)を付与する。この効果は五分間継続し、効果が切れてから再使用までは三分のクールタイムが必要となる。

【ターゲット集中状態(小)】

 戦闘中のモンスターのヘイトが自分に向きやすくなる。


 二つのスキルを取得した後、俺は集合場所へと向かう。

_____________________________________


「おーい、レイン!こっちだ、こっちー!」


 集合場所に近づくとタスクから声をかけられる。その方向を見るとタスクとハル以外に一人の人族の女性の姿が見える。一緒に攻略するパーティメンバーだろうか。


「お待たせしました。」


「俺らもついさっき集まったばっかりだから気にしなくていいぞ。」


「あのー…タスクさん。この方はー?」


 タスクとハルと一緒にいた人が声をかけてくる。ゆったりとしたしゃべり方をする人だ。


「昨日話してた一緒にボス攻略してくれるやつで、レインだ。」


「あっ、そうなんですねー。私はエクルといいますー。よろしくお願いしますねー、レインさん。」


「こちらこそよろしくお願いします、エクルさん。」


 お互いに挨拶を済ませたところで、タスクが俺に聞いてくる。


「そういえば昨日、あの後レベル上げしてたんだろ?いくつまでいったんだ?」


「レベル5ですね。もうちょっとで6になります。」


「…早くない?」


 今までしゃべらなかったハルが声を上げる。


「だってボス攻略するんならこれくらいいるでしょ?」


「「え…?」」


 タスクとハルの二人から何言ってんだこいつみたいな反応をされる。


「え…?」


 何かおかしかっただろうか?それともボスに挑むには足りないってことだろうか。


「どうやら行き違いがあったみたいですねー。」


 くすくすと笑いながらエクルが言う。


「私たちの予定ではレインさんのレベル上げをしてからボスに挑む予定だったんですよー。」


 どうやら思ったよりレベルを上げていて驚いたらしい。


「夜のモンスター狩ってればすぐ上がりましたよ。」


「そうだとしても普通できないわよ…。」


 ハルが呆れたように言う。夜になるとモンスターが強くなるから、そこまでやらないという予想だったのだろう。


「まあともかく、そのレベルなら今日ボスに挑戦してもよさそうだな。」


 タスクがまとめるように言う。その言葉に俺、ハル、エクルの三人が頷く。


「んじゃ、道中で連携の確認しながらボス挑戦だな!」

_____________________________________


 洞窟への道の途中で現れるモンスターを倒しながらそれぞれの戦い方について実際に見せながら話す。

 タスクは両手剣を持った戦士タイプ、ハルは弓と魔法を使う遠距離タイプ、エクルは回復やバフデバフを使うサポートタイプのようだ。

 ちなみに俺の戦い方について見せた時の反応はこうだ。


「レインはすごいな!」

「えぇ…」

「パリイって難しいはずなんですけどねー。」


 上からタスク、ハル、エクルである。女性二人には引かれたような反応である。ちょっと傷ついた…。

 そんなこんな話しているうちに俺たちは洞窟へと到着する。洞窟で現れるモンスターはゴブリン、ブルースライム、吸血バット、ケイブリザードの四種類だ。吸血バットは少し大きめのコウモリで集団で出てくることが多いため注意が必要である。ケイブリザードは犬ぐらいの大きさはあるトカゲで防御力が高く倒しづらい。

 俺の『索敵Ⅰ』で吸血バットを避け、現れるゴブリン、ブルースライム、ケイブリザードを倒しながら洞窟の奥へと進んでいく。途中何度か行き止まりにぶつかりながらも進み、俺のレベルが7になったころ、洞窟には似つかわしくない扉へとたどり着いた。


「いよいよボスだな。ここで一休みしてから挑戦しよう。」


 タスクが宣言する。その言葉に全員が座り、気を休める。ボス部屋の前には扉がありその付近はモンスターが近寄らないことは把握済みだ。


「それにしてもよくあれだけパリイを成功させられるわね。」


「結構練習しましたからね。」


「それにしたってすごいと思いますよー。」


 休憩ということで俺のパリイが話題に上がる。その後すぐに話題は切り替わり、お互いの情報交換へとシフトしていった。

 五分ほど話したあたりだろうか、タスクが切り出す。


「じゃあそろそろボス挑戦と行きますか。」


 その言葉に立ち上がり準備を整える。


「作戦はありますかー?」


「とりあえずレインはタゲ取りを頼む。その間に俺とハルで出来る限り削るぞ。エクルは全体のサポートを。」


「「「了解(ですー)。」」」


 その返事を聞いてタスクが扉へと手をかける。


「それじゃあ開けるぞ…!」


 タスクが力を入れると扉は重い音を立てながらゆっくりと開いていく。開き切ると同時に俺たちは扉の中へと駆け込む。

 扉を抜けた先にいたのはゴブリンだった。しかしただのゴブリンというわけではない。全身が緑なのに変わりはないがその体は2mはあるかという大きさで、その手には刃こぼれした大曲刀と盾が握られている。

 ゴブリンが吼えると同時にシステムメッセージが流れる。


『カールの洞窟のボス「ゴブリンナイト」との戦闘を開始します。』

次回ボス戦です。うん?言われなくてもわかる?アッハイ


あっ、少しでも面白いと思っていただけたら感想とかもらえると蚊取り閃光がラジオ体操します。

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