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きれいごと抜きの人生論  作者: 中田
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第十八話 愛に破れたら2(思いは消えない)

Q 二十代の時に、親切で優しいと思った男性と3年間付き合いました。しかし、男性は他の女性と結婚が決まっていたようで、私は中絶を2回したうえ、ごみのように捨てられました。

(50年もたって)今頃と思われるかもしれませんが、私はずっと独身で、つらく悲しい思いで毎日を過ごしています。

男性が家族に囲まれ幸せに暮らしていたらと考えると、胸が苦しくて死んでも死に切れません。


A いつか、人生の「清算」の時がやってきます。それは、コンビニのレジのように自動的に計算できるものではありません。わたしたちは、自分が生きてきた時間を振り返り、それが「善きもの」であったと考えることができるように「編集」するのだと思います。

いや「編集」ではなく、それは作家が創作するように、自分の人生の断片を再構築し、一つの作品にしてゆくことなのかもしれません。

あなたは、その男性への憎しみを書かれています。では、あなたに質問します。その男性と生きていた時間、あなたに喜びはなかったのですか? ただ惨めな時間しかなかった、とおっしゃるのですか? 

あなたを、苦しめてきたのは、その男性ではなく、あなたの人生の断片から惨めなものだけを集め、これみよがしに自分に見せつけようとしているあなた自身だと思います。

それでいいのですか? ほんとうに? あなたの人生にあったのに、放り出し、捨ててしまった「善きもの」「美しいもの」を拾い集めてください。

あなたには、あなたの人生を尊び、大切に扱う義務があります。それは、他の誰にもできないのですから。

              (「誰にも相談できません」 高橋源一郎 より)


愛に限らず夢もそうですが、それが大きければ大きいほど実現は難しく、真摯であれば真摯であるほど、人はいつまでもひきずり、悩み苦しむのです。

かなわなくてもいいのです。どのみち死んでしまえばどちらも同じことです。それよりもだれにも真似できない。それほどの大きく真摯な恋や夢に胸を焦がした。その思いを持ってお墓に入る事の方が大切でしょう。


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