稼ぎキチガイ(超短編小説)
あーあー、またか。また時間稼ぎかぁ。
私の親は、私を天才にしようとする「天才少女計画」のために、メディアは一切見せないように時間稼ぎ。
それに、夜中にこっそり電力を使って私を改造してる。改造の電力のために節約するのも時間稼ぎの一つらしい。
いくら天才にしようと思うからって、そこまでしないでしょ。w。
親は私がそれを知らないと思ってるみたいだけど、もうばれてる。
自由にできるのは、お留守番の時間だけ。お留守番の時は、パソコンをやって、テレビを見て、日記を書く。
日記っていうのは、親の行動とかをまとめた日記。小1の頃から書いてる。
ノートの表紙に「稼ぎキチガイ日記」って書いてるから、見つかったらオワる。w。
うん、親はね、まさに「稼ぎキチガイ」なんだよね。
ちょっと日記振り返るかー。一番最初に書いた日記は... これか。
5/24 1日目:今日から日記
今日から、稼ぎキチガイたちのことを、日記に書くことにした。
ここで思いっきり、本音を言ってやろうかな。
懐かしいなぁ...あの頃。
なんで私って、こんなキチガイのとこに生まれちゃったんだろう。
とっても不幸だ。
...「ちょっとこっちきなさーい」
うん?何かな...
「ねぇ、なんでPC使ったの?? 使っちゃだめって言ったでしょ!!」
パチン。
鈍い音が響く。
...そう、頬を叩かれたのだ。
「なんなんだよ。オマエ。大目に見てやってたけど、マジ死ねよ。天才にしようと俺らが頑張ってたのに。
今までは大目に見てやってたけど、それを覆す屑なんてやっぱいらねーよ!!」
まさか虐待が起こるなんて。...どうしよう?逃げてやろうかな...
「逃げようとしてるの?...逃がすか、死ねッッ!!」
あ 、 死 ぬ 。
逃げなきゃ。ナイフ持とうとしてる。
逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ。あああああああああああああああああああああああああああ。
逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ逃げなきゃ
「ハッ、ハッ、ハッ、ハッ....ヴっ...逃げ...なきゃ....」
走る。
ただ、ひたすらに。
こんな屑の大人に殺されるか。
まだ、やりたいことがひたすらある。
ここで死ぬわけにはいかない。
どこか近くの家に助けを求めよう。
そうして通報してもらって、こいつら逮捕されちゃえばいいんだ。
...!? あ゛、やばい
車運転して、私を引き殺しにしようとしてる。。。
しかも、ナイフとかハンマーも持ってるし。
やばい、誰か、誰か、誰か。
このままじゃ、間に合わない。どうしようどうしようどうしよう。
ああああああああああ...もうだめ、轢かれちゃう。
もう、だめだ。死ぬんだ...
「死ねぇぇぇえぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇ!!!」
車の窓を突き抜けて、そんな声がした。
さようなら。。。
ウーーーーーーーーーー
「はい。とまって、とまってーーーー!! そこ、止まってくださーーーーーーい。何してるんですかーーーーーーー。」
そう声が聞こえて、はっとした。
警察なのか?
「あ゛あ゛゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛゛あっっっっっっ゛づづつぁ゛あ゛あ゛あ゛あっっあ゛゛あ゛ああ゛!?」
そんな稼ぎキチガイの声が聞こえる。
よく見ると沢山の人が集まっていた。大丈夫かな、とか、早く助けなきゃ、とか、子供や大人の声がした。
誰か、通報してくれたのかな?
「はい、○○容疑で逮捕ね。虐待でしょ。反省しなさい」
警察がそういうと、稼ぎキチガイは気持ち悪い声と顔をしながらパトカーに乗せられていった。
「あ、あの、大丈夫?」
天使みたいな声が聞こえた。少し年上のお姉さんだ。
「は、はい...」
「お姉ちゃん、この子、死んでなかった? よかったー!」
「あそこの親、虐待魔だったのねぇ。気付かなくてごめんね」
いろんな声が聞こえた。
皆私を心配してくれていたみたいだ。
...? これでもしかして、キチガイとの生活は終わり?や、やった...
それから私は、近くの住宅街の人と暮らしています。
それから稼ぎキチガイは、いろいろとあって死刑になったとかならないとか。
とりあえず、これから生きるぞーっ☆