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 平日。社員選考の途中だけど私は今日、学校だ。明日から4日間期末テストが始まる。その為、私は平均点を取るための勉強を始めようと思う。…あれ、私、絶対まともな勉強してないわ。没個性の為の勉強しているわ。これは、高校卒業までに普通の高校生に溶け込めるかもしれない。ふっふっふ。

 こんなことを考えながら弁当を作り、書記の迎えで会社へ行き、ほにゃららの内容で話し合って、で、高校へ来た。ちなみに葉月はお休みです。なんだろう…選考が重い物だったからかな?高校が久々に感じる…。私からは高校が輝いて見えるよ。光り輝いて直視できない…あ、これ朝日の所為だわ。私の高校へのトキメキを返せ。このやり取りを立ち止まって考えていたからか、後ろからやって来た人のバッグが肩に当たった。


「いた」


あ、痛くないのにいたとか言っちゃった…。前の男子が振り返る。


「ん?ああ、わりい」


赤い髪の少年がこちらを向く…て、赤羽くんやん!


「あ?誠?」


向こうも気づいたみたいで二人で並んで校門に入って行く。


「いやいや、久しぶりだね」


「…確かに久々だな。体育祭は行けなかったし」


「赤羽君がいなくてすごい違和感を感じたよ」


「…本当か?」


「うん。髪のレパートリーの少なさが目について…」


「そ、そうかよ」


赤羽君は少しがっかりした感じに言った。ん?赤羽君顔…。


「赤羽君さ、徹夜でもしたの?目に隈が…」


「ああ、した。明日から期末だと思うと、上からの圧力を思い出して胃が痛くなって寝れなくてな。勉強ずっとしていた…」


赤羽君が胃のあたりを押さえ、顔を顰めた。くわばらくわばら。心の中で合掌しておく。


「ん?誠。どうして今日傘なんか持ってんだ?天気すごくいいのに」


赤羽君は下を向いたとき私の傘に気付いたようだ。


「ああ、これ?今日雨降るから」


「まじか!天気予報だと晴れだった気がするが」


「そうだね。でも空を見ると少し風が湿気を持ってるんだよね。夏だからもあると思うけどこの湿気は間違いなく雨を運んできますよっていう合図だよ」


「お前…そんなこともわかるのか?」


「あたりまえだよ?」


「いや違うだろ」


本当なのに…。


「じゃあ、赤羽君。もし、雨が本当に降ったらどうするの?」


「もし、本当に雨が降ったらか?そうだな、誠の言うことを何でも聞くっていうのはどうだ?」


「ほう…。よほど自信があるんだね。あとで、赤羽君が泣きを見ても知らないよ?」


「その変わり、晴れだったら俺の言うこと聞けよ?」


「それはもちろん。あり得ないけどね」


そんな風に天気の話をしていると下駄箱に着く。そして、それぞれのクラスへと入って行く。


そして、天使が私を迎えてくれた。


「まこちゃん!おはよう」


なつちゃんだ。周りを照らすような笑顔で私に挨拶をしてくれた。


「おはよう!なつちゃん!」


私は嬉しくなって笑顔で返す。


「期末の勉強どう?私、生物と数学が本当に分からない…」


「私も、全教科不安なんだよね」


平均点取れるかどうかがね。あとであちこち回ってリサーチしなきゃ。


「今日、頑張ろう!そして明日からは本気のオーラ出せば行けるよ!なんとか!気合だよ!」


なつちゃん、それはどこかの熱血な芸能人が言っているような言葉だよ。


「よし、朝のホームルーム始めるぞ~」


そして、いつも通りの学校が終わった。…学校終わるのって速いんだね。休日よりも平日の方が1日が早く感じるんだね。みんなにさよならのあいさつをして玄関へ向かう。玄関から外を見ると雨が降っていた。赤羽君。賭けは私の勝ちみたいだ。そう思いながら、傘を開きいつも通り会社へと向かおうとすると、なんか違和感を覚えた。…何か忘れているような。なんだろうと思い返してみると、会社の書類だった。昨日は最低獲得点数以上の人が合格の第1選考をして、今日は各課で目についた人を保留合格にしていく第2次選考が行われる。そして明日はその中から高い得点順に並べ、特技を記載したものを各課に配り、この中から各課おおよそ50人ほど決めてもらい、被った人は交渉して人物を割り振っていく第3次選考が行われるのだ。この第3次選考の人物交渉についての紙を各課に今日配ろうとしたのだが忘れてしまった。明日でもいいかな?でも、後味悪いし、明日忘れたら最悪だ。…めんどくさいけれど今日取りに行こう。

 そう考え、雨が降る中早歩きで駅に向かう。そして、電車に乗り、自分の家の最寄りの駅に着き家路を急ぐ。そこでふらりふらりと歩く少年が目の前に入る。少年はスーツを着ていて、透き通るような茶髪を持っていた。こんな天気の悪い中、傘も差さずに歩く姿はひどく頼りない。…大丈夫かな?と思いながら通り過ぎようとすると少年はぐらりと傾き地に伏した。


「え!?大丈夫ですか!?」


思わず、叫び、傘を離して少年の元へと駆け寄る。少年は酷い表情だった。顔を真っ青にさせ、震えている少年にどうしようと考えた結果、出た答えはこれだった。


「よし、今日は仕事を休もう。あの書類は社長室のデスクにメールで送っておこう」


そして、書記に印刷させて各課に配るのだ。そして、さらに書記に各課の選考様子をメールで暗号化して送ってもらい、さらに書記に明日の確認をしてもらい、さらに書記に副社長の世話をさせよう。これで私は家で残業をやれば仕事は消化できる。書記の仕事が多すぎる?いやいや大丈夫でしょ。書記は経理部の部長で今回の選考のかかったお金の計算と今日の白雪社の売り上げの統計を出す仕事と新入社員の選考もあるけれどなんとかなるに違いない。彼は無敵なはず…だから。…あとでボーナスあげとくか。


 とりあえず、この少年を家まで背負っていき、なつちゃんたちとカラオケになったって嘘のメール送ろう。仕事をとりあえず羅列しておけば書記は喜んで追及の手は止まるはずだ。


少年を背負い、傘を持ちゆっくりと歩き出す。少年を背負うと、少年が冷えていることがよく分かった。


「………せん。…か様」


少年が何かを呟いているが恐らく寝言だろう。少年が生きていることが確認できてよかった。冷たい雨が降る中、家路を目指す私はそんなことを考えていた。




 誠ちゃんは休日よりも平日があっという間だと感じるそうですね。人によって意見は様々だと思いますが、みなさんはどうですか?ちなみに私は休日があっという間派です。誠ちゃんが羨ましい。5日間も短く感じる日々があるなんて…。ま、平日でも楽しい日はあっという間ですけどね笑


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