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目指せ1位の体育祭!8

 

 俺は木村時雨。現在騎馬戦が始まる準備をしている所だ。騎馬戦の前の玉入れでは先輩たちに上手いことやられたため、騎馬戦では1位を目指したいと思う。…女子の応援合戦はすごかった。その中でも俺のクラスが一番だったと思う。チアガールのように可愛く踊る女子。その中でも一際輝いていたのはそう、あの白雪さんだ。いつも優しく美人な白雪さんが真剣に応援合戦でダンスを踊ってくれる。しかも応援席に真剣な目を向けながらの綺麗な宙返り。俺ら男子はそれを見ただけで涙を流して五体投地をしそうであった。とにかくみんなぼそぼそとありがとうございますと呟いていた。…もちろん俺もな。とにかくあの応援合戦を見て頑張れない奴はいないだろうと思う。


 『プログラム7番、王者は誰の手に、男子による騎馬戦です。熱い戦いをご覧ください。今回はトーナメント形式で行きます。まずは3年2組対1年1組よろしくお願いします』


おっと、始まったようだ。呼ばれたクラスは応援席から区切られたロープを区切って中に入って行く。俺らは次で相手は2年3組だ。ちなみにこのトーナメントの相手は事前にくじ引きをして決まった。




 『おっと、3年2組矢代陸が大将のはちまきを取りました!勝者は3年2組です!』


 「おい、しぐ。そろそろだぞ」


 暮梨に話しかけられて俺は頷く。「しぐ」とは最近俺が呼ばれているニックネームだ。時雨から来ているらしい。


 『次は2年3組対1年2組です。よろしくお願いします』


 「頑張れ、男子!」


 「ファイト―!」


女子も応援してくれている。俺ははちまきを頭に結び、歩き出す。


 「いいか、相手は2年だ。体つきの良い奴からけちら…落とすぞ」


 クラスの参謀、山下智樹。一見目立ったことのない男子だが、実は中間テストでは新入生代表を務めた四条空飛とMAIに次ぐ3位の成績であった。彼は白雪誠ファンクラブの一人であるが、白雪さんのことを色々と調べる諜報部を担当しているらしい。本人には決して言えない情報であるが。ただ、山下の力でも白雪さんのことを調べることは大変らしい。…というか調べるのって犯罪じゃないのか?何調べているんだか分からないが、変なことしないうちに止めた方がいいのかもな。



さて、考え事をしているうちに始まってしまった。俺は今回、山下を含む男子3人の上に乗っている。ちなみに大将は暮梨だ。まずは目の前の先輩。山下が小声で指示し、残りの二人はそれに合わせて動き出す。見事な連係プレーで素早く後ろに回り込み、はちまきを掴む。


 「1枚ゲット!!」


叫んで次の標的に向かう。よく周りを見れば、みんななかなかの立ち回りで先輩たちが4騎やられているのに対し、こちらは1騎しかやられていない。


 「次、あそこのたいまんはってるやつを後ろから強襲な」


たいまんを邪魔する形で悪いがこっそり近づき奪う。


 「次あのた…あ」


山下が口にした次の途端、暮梨が大将のはちまきを奪っていた。


 『おっと、1年2組暮梨健人が大将のはちまきを取りました!勝者は1年2組です!』


そこでクラスからどっと拍手と歓声が上がった。





現在時は流れて昼休み。午後は○×クイズからスタートする。俺達はあの後3年2組に当たり負けてしまった。残念だったが運が悪かっただけだと思う。3年2組が結局優勝だったし、俺らは最後まで互角だったのだが、あと一歩の所で勢い余った大将の騎馬が崩れたのだ。あいつらはごめんごめんと謝っていたが、俺は地面に落ちていた相手色のはちまきが原因だったと考えている。どう見てもひっかかっていた。さて、昼休みはみんな思い思いの場所と仲間でご飯を食べていた。ふと気になって周りを見れば、須川さんや山田さん、下田さんはいるものの、白雪さんはいなかった。俺の視線が気になったのか暮梨も


 「白雪さんいないな。どこかに用事があってでかけているのかな」


と呟いている。俺は唐揚げを食べながら、山下に聞くか?と聞いてみれば暮梨は首を振った。


 「人のプライベートにそんなに踏み込むのは悪いだろ」


いやいやいや、白雪さんと接した男子に啖呵切っている野郎に言われたくねえよと思いながら暮梨が唯一啖呵切っていない野郎がいたなと思い出す。カイトだ。


 「そういやお前、カイトにはなんか関わんないよな」


 「あ?いきなり何言ってんだよ。…カイトはあの『赤鬼』だぜ?怖い奴には関わんないのが俺の信条なんだ」


卵焼きを食べながらドヤ顔をする暮梨。…何処から突っ込んでいいのか分からない。


ガラッ


教室のドアが勢いよく開いた。開けたのは鳥羽さんだ。肩を上下に揺らし、顔には汗が出ている。鳥羽さんは扉に左手を置き、息を整えてから大きな声で言った。


「みんな聞いて」


その瞬間クラスが静寂に包まれる。鳥羽さんが真剣な眼差しで言った。







「白雪さんが…階段から落ちた」




その瞬間クラスが凍りついたのは言うまでもない。みんなのアイドルマドンナスターの白雪さんが階段から落ちたということはそれほど衝撃なことなのだ。俺も頭では平静になりながらも体は口をあんぐりと開け、目を見開いていた。


どうか。どうか神様。彼女に怪我がありませんように。



今回は少し短めです。そのため、次回はなるべく早くアップしたいと思います。


~人物紹介③~

木村 時雨(15)

少し茶色に近い黒い髪を持つ。優しい性格。親しい相手には少ししつこくからかうことがある。結構鋭い。クラスの委員長。1-2。家族構成は父、母、姉、弟の5人家族の真ん中である。


暮梨 健人(16)

かっこいい。趣味は人間観察。からかう時にはとことんからかう人。1-2。


赤羽 海叶(16)

イケメン。髪を赤く染めている少年。1-3。不良の少年だったが、白雪 誠がアイドルに誘い、アイドルではないが、モデルになった。(カイト)土日だけ仕事をする。両親が海外へ行き、取り残されたと感じた中学2年の冬。ふと、目の前を通り過ぎたカップルが幸せそうにしていたのが羨ましく感じ、彼氏の赤い髪にすれば自分も幸せになれるのかと思い、赤い髪に染めた。中学では赤鬼と呼ばれ恐れられていた。須川 菜摘、下山 有紗、山田 美智と同中。運動神経がよく、頭もいい。現在は夏目 亮の指示により勉強をしなくてはならないため、真面目である。有志バンド『カラフル』のドラムを臨時でできるほど、ドラムが上手。亮との関係は鬼上司と断ることができない部下という関係。



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