目指せ1位の体育祭!1
かなり久々の投稿ですみません!
6月と言えば、梅雨の季節。けど、高校では受験を控える3年生がいるために6月に体育祭が存在している。なんで6月なのかと聞かれれば、私はこうではないかと推測する。季節が程よい。まあ、雨が多い感じたけど、少し暖かく、半袖短パンでもギリギリ行ける。もっといい候補の7月は期末テストが控えているし、前の5月は中間テストがあった。よって、暇な6月に体育祭が回ってきたんだろう。2学期は3年生の推薦とかで忙しくなると思うし。
「じゃあ、今日は体育祭についての話し合いだ。毎年体育祭では各クラスからテーマの候補を幾つか出してテーマを決める。そのテーマに沿った競技を生徒会が決めるんだが、体育祭は第3週に行われる。よって、今日中にテーマを決めて生徒会に出さなくてはならないんだ。今から、総合の授業だから、この時間に体育委員と委員長、副委員長を中心に話し合いをして3つ決めてくれ」
先生がそう言って、端に移動し出す。だいたい端に先生が移動する時は私たちに前へ出てこいと言っているようなものだ。
木村君がそろそろと前へ移動しているのを見て、私も立ち上がり移動する。体育委員は鳥羽さん、谷川さん、北田くん、阿部くんの4人で4人とも前へ出るか困惑しているようだ。
「体育委員の4人とも中心メンバーなんだから一緒に前へ来いよ」
さすが木村くん。察して呼びかけている。呼びかけられた4人は観念されたように前へ来た。
「これから、このクラスを1位に導いてくための体育祭委員をやらせていただきます。木村です!」
木村くんがなんかやりだしたぞ。体育祭委員?それは、どういうこと?不思議に思い木村くんを見れば木村くんが次は白雪の番だぞと静かに言った。ん?つまり自己紹介?
「えっと、白雪です。よろしくお願いします?」
「鳥羽です!よろしくお願いします!」
「谷川です!よろしくです!」
「北田です!よろしくお願いします!」
「阿部です。よろしくお願いしまっす」
みんなが察したように挨拶している中私はようやく理解した。クラスを中心に率いていく体育祭委員会を今作ったってことか。それで私もそれをやる…はっ!ってことは目立つじゃない!!
どういうことだと木村くんを見れば木村くんは少し照れたようにそっぽを向いた。
「おいおい、木村、そんな変な空気作らないでさっさとやれよ!」
暮梨くんがそう言って木村くんに野次を飛ばした。
「悪い悪い。じゃあ、テーマはどんなのがいいか、6班に別れて決めてくれ」
そういえば、今日は日向もいたっけ。付近の席の女子は嬉しそうに机を合わせていた。
「じゃあ、俺らは組織について話し合っとくか」
木村くんはそう言って、円を組むように私たちを促した。
「よし、この体育祭委員の目標は優勝だ」
この体育祭は3年から1年までのそれぞれのクラスで一つとして、得点を争う仕組みだ。ただ、3年生は受験ということで、最初からハンデとして各クラス50点与えられている。基本競技で1位のクラスは50点貰える。
本気を出すのも出さないのもその3年生のクラスで分かれてくる。とにかく勉強!の受験生が多いクラスはそんなにやらないし、スポーツ推薦や就職が多い3年生は1位を本気で目指そうとする。よって、後者の3年生のクラスが多い場合、優勝はかなり難しい。
「じゃあ、この体育祭委員長は誰がやる?」
「木村が言い出したんだから、木村がやればいいんじゃないの?」
鳥羽さんが首をかしげながらそう言った。
「…そうだね。本当は白雪さんにやってもらえればいいなと思ったんだけど俺がやろうかな」
え!?私?
「そ、それだったら白雪さんがやってもいいんじゃないかな?体力テストも良かったし…」
鳥羽さんが突然態度を変えだした。
それだと私がクラスを率いなければならなくなってしまう!会社の仕事で忙しいから残業なんて無理だし、何とかして、木村くんにやってもらおう。
「いや、私は木村くんでいいと思う!…それに私はバイトが…」
「あっ、そうだよね。白雪さんに負担かけちゃダメだと思う。その…色々と経済的に忙しいかもだし」
谷川さんが少し控えめに声を出した。その…忙しいかもだしの間の言葉がよく聞こえなかったけど、まあいいか。
「うん、ちょっと今週は特に色々と建て込んでるし、出来れば委員長である木村くんがそのままやって欲しいかな」
主に新入社員選考のこととか新入社員選考のこととかでね。ん?よく考えてみれば大したことない?あと私がやる仕事といえば、面接時の確認と抜き打ちチェックと全ての履歴書の確認だけだ。後は通常の書類確認と各部署の仕事内容の確認、合同の確認、スケジュールの管理だけだ。それに高校の授業と運動会か。
…明らかに自分で事業を創設してやってた商店街復興作業とかよりもマシなほうかな?商店街の全ての運営状況を確認、運営指示、商品の入れ替え、デザインとか多岐に渡る作業よりもマシな気がする。あれは徹夜ものの取り組みだった。新聞にも取り上げられて、葉月への仕事振り、他の社員たちの時間を確認してマスコミを社内へ入れた。あの時は警備科の配置を結構考えた。
「んじゃあ、白雪さんは副委員長をお願いするよ。クラスの副委員長でもあるしね」
木村くんが言った言葉により、私は過去の思い出を再びタンスへしまい込んだ。
「…あんまり手伝えないけど大丈夫かな?」
「「「「「大丈夫」」」」」
肯定する5人。まあ、早く次の議題へみんな行きたいだろうし、副ならやってもいいかな。
「じゃあ、テーマは決まったかな?1班から案をお願いします」
木村くんが声をかけると意気投合したようにみんながピタリとお喋りをやめた。このクラス凄いと思う。こんなに上手くまとめられる木村くんも凄いと思う。私は班が発表していくアイデアを黒板に書いていった。
見ればどれもなかなか面白そうなテーマで書かれている。中でもいいアイデアだと思ったのはお魚というテーマだ。お魚ということは色々と種類があり、競技の名前が浮かびやすい。例えば、玉投げでは出場者を女子だけにして、『マーメイドの真珠拾い』とか題して盛り上がれると思う。白と赤の玉を真珠と見立てて籠を宝石箱に見立てればどこからどう見ても真珠を宝石箱に集めている可愛い女子の出来上がりだ。更に、徒競走でも二人三脚でもアイデアが浮かぶけど浮かびすぎてキリがないから省略。
このようなことを考えながら、無意識に言われた通りに手を動かしていたら、テーマが決まっていた。
『妖精』
…こ、これはまたファンシーなものが選ばれたな。第1候補にこれを書き、第2に『お魚』、第3に『戦国武将』と書き入れる。先生に終わったところでバトンタッチし、私達は席につく。おおよそ、今の会議で20分。授業は45分授業だから、あと25分もある。
「お前ら、結束力高いな…。じゃあ、この紙は後で委員長と副委員長で出してきてくれ。…時間がある方が出すのでもいい。時間が余ったし、競技の種目も決めとくか。競技はテーマで色々と変わるが変わらない競技は必ずある。それが50、100、200、800m走とリレー、二人三脚、応援合戦、騎馬戦、全員リレーだ。全員リレー以外の種目を誰が出るか決めといた方がいい。基本、競技は最低1回は全員出ること。重複は3回まで可能だ。但し、3回まで出たやつは全員リレーの最初とアンカーにはなれないからよく考えろよ」
わーお、生徒会にこのプリントを私と木村くんが出すのか。妖精とかツッコまれる予感しかないけど一応出すだけだし、いっか。すぐ終わるでしょう。
また木村くんが立ち上がったので私も立ち上がり、黒板の前に立つ。さっき言われた種目を書き、注意されたことも端に書いておく。よし、これでわかりやすいだろう。
「次は種目を決めるけどやりたい種目、もしくは推薦したい人を言ってくれ」
木村くんの言葉に鳥羽さんが手を挙げた。
「鳥羽さんどうぞ」
木村くんが指し鳥羽さんはゆっくりと口を開いた。
「うちのクラスの秘密兵器は白雪さんです。白雪さんの種目で全て決まると思います」
え!?
次回:出場競技を決めます。そして、生徒会室へ!
10/1基本競技5つという言葉を削除。




