現状を解決す!勝利編
視点がかなりの速さで変わります。そして、わかりにくいです。それでもいい方はお読みください。
「本日は、西園寺グループに乗り込み、証拠をぶちまけ、婚約はなしにしてもらいます!」
私がそう叫べば、7人の小人は立ち上がって拍手してくれた。
~side???
「お父様、本日葉月様がこちらへお越しになるのは本当でしょうか?」
社長室へ息を切らして入り込んだ私は少し落ち着いてお父様にそう言いました。
「ああ。喜びなさい。きっと婚約は成立だ」
お父様が書類をとんとんと揃えながら笑いなさった。
「まあ!」
この喜びようはまさに天にも登る気持ちでした。嬉しすぎて声が出ませんわ。とうとう、葉月様も私のことを認めてくれたのね。向こうが私を好きでなくてもこのように婚約してしまえば流れるまま。きっと私の素晴らしさにお気づきになり、メロメロになっていただけるのよ。
「ああ、京香。君は美しい。その美しさに私は目を奪われてしまう。君と結婚できて良かった。今夜は離さないよ」
そう言って、私を抱きしめる葉月様。あーん!もう堪らないわ!
「ごほん、京香。悪いが妄想は外でやってくれないか?私がなんとも言えない気持ちになる」
「失礼しましたわ。お父様。本当に今回はありがとうございます」
私はそう言ってドアノブに手をかけました。
「いいや、むしろ感謝しているよ。あの成長中の白雪社を止めることができそうだ。副社長の葉月くんはかなり優秀なようだね」
「当然ですわ!私が惚れてしまう程ですもの!」
「影から出てこない社長はお飾りなのだろう。よく名前が出てくるが、本名でもなく社長。ゴーストライターし放題ではないか。それに比べて葉月くんは素晴らしいプレゼンテーション力に会話力。彼は企画も自ら作っているのだろう。彼を婿にするのはとても利益になる」
「お父様!私の惚れ込んだ方ですのよ!?当たり前です!」
「おっと、失礼。まだいたのだな。早く宿題をやりなさい」
「そうでしたわ。宿題の続きをやらなくては。一次関数がわからないのですわ…」
「執事の音瑠をお前につけよう。あいつは三次関数までならわかる」
「ありがとうございます。お父様。私、お父様にこのように愛されて幸せですわ。では失礼いたします。御機嫌よう」
「京香。くれぐれも音瑠を壊すなよ」
「承知しておりますわ」
私はそう言って、部屋を出ました。
…新しい頭のよろしいおもちゃが手に入りましたわ。葉月様がいらっしゃる前に宿題をやらせましょう。役に立たない屑でしたら、さっさと壊しちゃいましょう。
「私に勝てるものなしよ!おほほほほ!」
家の中にこだます笑い声はとても甘美な響きを持って聞こえましたわ。
〜side誠
「では、副社長、行きましょう」
「そうだな。静。」
現在、私は誠ではなく、白霧静として副社長と共に西園寺グループに乗り込むことになっている。
詳細はこうだ。まずは私と副社長で謝罪に行く形とする。そして、社長の前で事件の原因と証拠について出す。さらに、悪いのはそっちだ!となり、結婚もなしにする!
完璧!証拠も整っているし、隙という隙は葉月に埋めてもらおう。
私達はお互いに頷いて、西園寺グループ本社ビルへと踏み込んだ。
~side京香
「京香。君の婚約者がいらしたぞ」
私の部屋をノックし、お父様がそう言って入ってきました。
「まあ!本当ですの!?」
あまりの嬉しさに手にあったペンを落としてしまいました。それをすぐ様音瑠がキャッチしました。
それを冷たい目で見つめ、立ち上がりますわ。さあ、愛しの葉月様にお会いしましょう。
そう思い、部屋へと入れば葉月様がいらっしゃった。
「葉月様、御機嫌よう。わざわざあなたからこちらへと来なさるとは思いませんでしたわ!」
ああ、愛しの葉月様。今回も美しく、かっこよく、佇んでいらっしゃる…。
あの切れ長の目は理知的な感じを表し、横に結ばれた唇は私を誘うように美しいわ。
葉月様は私を見てニコリと微笑み、ペコリとお辞儀しました。ああ、見てるだけでもお麗しい!
「先日ぶりです。西園寺嬢」
「まあ、西園寺嬢なんて言わないで、京香でいいですわ!私はあなたの婚約者なのですから!」
そう言えば、葉月様は困ったように笑いました。
「こら、京香。すまないね、京香は気が早いんだ」
私の肩に手を当ててお父様が言いました。
「いえ、お気になさらず」
眩しい笑顔で葉月様が笑いました。な、なんという美しさ…。思わず声を上げてしまうところでした。
「で、そちらにいる人は?」
お父様の言葉で初めて、葉月様の後ろにいる人間が見えました。
「こちらは、部下の白霧です。本日は謝罪…と言いたいところですが、もう1度事件についてお話したいのです」
葉月様は顔を崩さずにそうおっしゃいました。
「ふむ。まあ、いいだろう。あの事件はそちらの社員が起こしたことだろう?」
「その件ですが、私の社員の車に不備が見つかりました。白霧」
「はい」
そう言って、白霧が紙を取り出した。
「こちらが車の不備の証拠写真となっております」
そこに写っていたのは事故を起こした人。まだ、事故の前のようで運転している。それに赤い丸がついていました。
「この車…そちらの会社で作られた車なんですよ。そして、事故った時に少し無事だったエンジンを見させていただいたところ、少し、細工がしてあったんですよ。白霧、エンジンの写真」
「はい」
そう言われて出された写真。エンジンの一部に丸がついています。私にはよくわかりませんが、お父様の顔色が変わりました。
「この車は西園寺グループで作られ、西園寺グループの店で売られた。そして、西園寺社長の手により、我が社員に売られた。それがこの『白雪社副社長西条葉月引き抜き作戦』という書類です」
「な…どこでその書類を…」
私は思わず驚きました。まさか、私とお父様で作ったこの書類が…。お父様がハッキング不可能とされるセキュリティに保存したはずです。絶対に流出はなかったはずです。なのに、それを副社長があっという間に奪ってしまったということです。
「は、ははは。すごいよ!よく、このセキュリティを突破したものだ!君が余計に欲しくなった!」
お父様が好敵手を見つけになったように笑いました。
葉月様はそれを見て、笑いました。
「なにか、勘違いしていませんか?西園寺社長。私はハッキングなんてしてませんよ?」
え?葉月様がやったんじゃないんですか?心の中で疑問が浮かびます。
「ハッキングも今までの共同計画もすべて社長がやったものです。私はそれを発表しただけです」
「でも、社長なんて本当はいないんじゃないか?」
お父様の言葉に私も頷きます。すると、葉月様が目の前の机をバンと叩きました。あの笑みは消え、私達を睨んできたのです。
「社長はいます!誰よりも賢く、立派な…」
「では、なぜ出てこないんだ?」
「それは…社長は高校生だから…」
え?社長が高校生?私と同じ…?
「副社長、それ以上は」
「…すまん、白霧」
葉月様は咳払いをし、言いました。
「この書類を警察に出されたくなければ、縁談は破棄にしてもらいます」
それを聞いた途端、私は倒れました。
~side誠
「全く、なんでばらしたんですか、副社長…」
現在、葉月の婚約を無事に阻止し、会社に戻るところだ。あの、令嬢には気の毒だが、あっちの社長も私たちに謝り、否を認めてくれた。そして、改めてライバル企業だと言われ、追い出されたに至る。
「…社長のことを勝手に言ったからな。俺は社長程頑張ってる人を知らない」
そっぽを向いて照れたように葉月が言った。なんだかそれが嬉しくなって、思わず微笑んでしまう。
「それは、褒め言葉として手帳に残しておくね」
「…やめろ」
「残念ですが、社長(私)には逆らえませんよね?」
「…くっ」
とりあえず、一件落着といったところかな。
少し、体が軽くなった気がする。タクシーから降りた私は葉月を置いて会社へと入った。
「…きだ。……と」
だから、葉月がなにか言ってるのも聞こえなかった。
お久しぶりですm(_ _)m
文章の難しさがわかりますね。かなりわかりにくくて申し訳ございません!
次からはまた学校へと戻ります。
その前に赤羽くんとメモリアルのコメディー閑話入れます。




