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クラスで合宿だ!4

 遅れてすいませんm(__)m

勉強合宿1日目、俺は結構早い時間に来てしまった。



「うわ、早く来すぎたな。誰もいないだろう、こんな時間…」


そう呟きながら、公民館へと向かう、クラスの委員長をやっている木村こと、俺。


あれ?おっかしいな。幻が見える。朝早く目を覚ましたからまだ目が起きていないのか?


目の前にはまごうこと無き天使…いや、白雪誠さんがいた。


青いシャツにジーンズというシンプルな出で立ちでありながらも、気品は損なわれず、かえって美しさが溢れ出ていた。いや、本来の彼女の普段着はこうなのかもしれない。


そう思いながら、ゆっくり近づき彼女に挨拶すれば、彼女は微笑んで返事をしてくれた。なんだか、デートみたいだなって思って思わずはにかむ。


そして、つい自爆した。


今度待ち合わせした時って…デートかよ。デートなのかよ!?あの、白雪さんと俺がデート!?やばい、そのシチュエーションはかなりやばい。そんなふうに考えていたら、いつの間にか日向に変な目で見られていた。



そして、勉強が始まり、俺は暇を持て余していた。実はさ、宿題全部やっちゃったんだよね。だから、俺は人に教えることしかできねえ。だが、みんな周りの人に教えて貰っていて、暇だ。そう思いながら、ぼうっとしていれば、白雪さんが問題を教えてとやってきた。



え!?なぜ俺?暇そうにしていたのがわかったのか?


白雪さんが指したのはみんなが良く間違える、速さの文章題だった。新幹線の時速を求める問題。俺もここは間違えたので、解説をよく読んできちんと理解しておいた。申し訳なさそうにしているのが、可愛いなと思いながらも丁寧に教えてあげた。


「木村くんは先生になれるね!」


白雪さんにそう言われ、ついつい白雪さんが生徒で俺が先生の図を想像してしまう。うん。変な気持ちだ。


白雪さんが去った後、クラス中の男子に小突かれた。


 「木村、調子のってんじゃねえぞ」


 そう言った暮梨の顔が一番怖かった。


  俺にとって白雪さんに接しられた有意義な勉強会も午前が終わり、お昼。カラオケに集まり昼食が始まった。


  前のカラオケと一緒で日向の歌い出しと共にカラオケが始まる。日向の選曲は自分のソロ曲で、このクラスにいる相手に対して作った曲らしい。マジで、日向の好きな奴はどいつなんだ…。


 日向が好きな奴…。日向の視線は画面に釘漬けなので誰に歌っているのか解らない。つかさ、好きな奴の目の前でどうどうと歌えるなんて日向すごいよな。俺ならできねえわ。


日向が歌い終わり、何人か歌った後、白雪さんの番になった。前回のカラオケは本当に驚いた。人気アイドル、メモリアルの曲を綺麗な歌声できれっきれのダンスで完コピしていた。日向が隣で


     『白雪さんはメモリアルのファンなのか…。』


 とブツブツ言っていた。またその言葉を聞いてクラスの男子が次の日からメモリアル風な発言、髪形をしてきたことは言うまでもない。


 今日もメモリアルを歌うのかと遠い目で白雪さんを見ていれば今日は違った。それは聞いたことのない歌だった。題名は『花元の木』。


  ふんわりした感じの曲にほわほわした歌。まるで妖精とパーティーをしているような曲だった。


白雪さんも楽しそうに歌っていてとてもかわいかった。


  あとで検索をかけてみれば白雪事務所デビューのラティーという新人歌手の曲だった。思ってみればメモリアルも白雪事務所だよな。白雪さん自体が白雪事務所のファンなのか?…あれ、白雪さんの名字って白雪だよな?もしかして…。


  そんなことを考えていればいつのまにか午後の勉強会も終わり、お風呂になっていた。


  「なあ、木村くん?今日のお前色々と役得だったよな?」


  お風呂に浸かってまだもんもんとしていれば暮梨が俺に話しかけてきた。


  「は?役得?」


  暮梨の話をよく聞いてなかったのであいまいな反応しかできなかった。暮梨はそれをなにかと誤解したらしい。


  「へえ、お前白雪さんと話せるというありがたさを知らないんだな。俺なんて挨拶止まりの仲なのに…。そういえば学級委員もこれを狙ってのことか?」


  「ん?待て。なんか誤解してないか?」


  「誤解も何も、俺はお前が羨ましいぞ!いや俺だけでなくこのクラスの、いや、誠ファンクラブの総員が血の涙を流して悔しがっているぞ!」


  おいおい、ファンクラブあったのかよ…。


  「ファンクラブ、№4、5、7!木村にダイレクトアタァァァァァック!!」


  「「「御意!」」」


  どうやら会長は暮梨のようだ。そう思いながらファンクラブの攻撃を受けていた。しばらくして、女子風呂から可愛い悲鳴が聞こえたことにより攻撃は止んだが、痣はしばらく消えそうにない。まあ、悲鳴を上げてくれた女子に感謝する。なにがあったか解らないがそっちも頑張れ。


 そして、白雪さん…。彼女は白雪事務所と…いや、本社の方にもなにか関係がありそうな気がした。社長令嬢とか社長令嬢とか社長令嬢とか。


  うわ、そうすると白雪さんって…。顔も良し、性格良し、金持ち、運動神経良し、歌も良しとか完璧少女じゃん。唯一の欠点は勉強か?あとは箱育ちで世間知らずだったり?わかんね!!合宿の企画書を出したりしてたし、行動力在りそうだ。それにもしあの企画書をすべて自分で仕上げたとしたら…。


  ぞっ。鳥肌が立った。なんとなく白雪さんは俺の届かないところにいることはわかった。もし、俺の考えていることが本当で彼女が社長令嬢で将来社長の隣で補佐することになったら…。


  白雪社はさらに営業速度を増していく。今でもかなりの速さで発展している白雪社。このまま伸び続けていたらいずれ白雪社による国家支配もできそうだ…。今の社長もかなりのやり手だと父さんが言っていた。俺は白雪社に勤めた方が将来安定かもしれないな。


  合宿の途中で白雪社の紹介雑誌買ってみるか…。



  

  木村君…。鋭いながらも所々ずれている。果たして彼が真相へ近づく日は来るのか?いや、もう来ているのか?

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