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入学式

担任がイケメンだった。それだけで女子は大騒ぎだ。


「ねえねえ、まこちゃん。かっこよくない?」


なつちゃんが興奮して顔を真っ赤にして言った。



「あはは、そうだね」


あれ?なつちゃんは日向を狙ってるんじゃないのカナ?と心の中で思いながらも苦笑いに留めておく。


「お前ら静かに。入学式の準備が出来たので、廊下に並んでくれ」


先生は慣れてるのか注意をしてすぐに廊下へと出て行く。女子は嬉しそうに後をついて行き、男子はなんか可哀想に見えた。


「まこちゃん?置いてくよ?」


「ああ、ごめん、今行く~」


そう言って廊下に出ようとした時、ふと日向と目が合ったのは気のせいだろうか。いや、気のせいだろう。




現在無事入場し、校長の挨拶だ。驚いたのは、入場している途中で書記、七海 羽空はくを見つけてしまった事だ。なんでいるんだ。


「起立」


校長の長い話が終わり、新入生代表の挨拶が始まる。今年の新入生は同時トップらしく、2人読むらしい。


「新入生代表、四条 空翔そらと


コツコツと響く足音、そして壇上に男子が上がった。みんなの息を呑む音が聞こえた。

まあ、見た感じ格好いいよね。サラリとした髪にスラリと高い背。顔は横からだけど整ってたし…。この学校イケメン率高くない?気のせいだろうか。みんなそんなもん?



声も凄く綺麗だった。いや~、副社長並に声良かったと思う。まあ、うちの副社長の方がイケメンだし、声もいいけど(笑)


そして、挨拶が終わり、次の新入生代表に。


「新入生代表、堀金 舞」


再びコツコツと響く足音。そこでまた息を呑む音が。見れば、モデルさんのような美少女が…。あ、いやモデルだ。モデルのMAIだ!

周囲がざわつく。


モデルのMAIね!うちの会社ともたまにコラボするんだけど、亮くんはあまり好きではないらしい。なんでも、性格がちょっとダメだって言ってた。同じくだよ!いや~でも頭良いんだね!



「在校生祝辞、木村 あきら


まーた、かっこいい人。黒い髪は長くもなく短くもなく、とても精悍な顔立ち。いいよ。もうイケメンはお腹いっぱいだよ。


…そう言えば、書記一眼レフ持ってたよね?まさか、書記もマーケティングみたいな?偉い!偉いよ!たまに、私のゴミ漁ってたり振り向くと後ろにいたりするけど、見直したよ!見直したよ!書記!どういう人がどういうものを持ってるか、確認し、会社に役立てる。いいと思う。こうなったら私も負けてられない。もっと売上に貢献しよう。


うーん、何に目をつければいいだろうか。女子は化粧が今見れるよね。袖の辺り見ればこっそりとアクセサリーしている人もいるよね。後は、髪アクセかな。


あ、前の人のシュシュ。茜がデザインした春色シュシュだ。季節によってシュシュを変えるという私のアイデアが採用されたんだよね。


「以上で入学式を終了します。新入生退場」


いつの間にか入学式が終わっていた。恐るべし、マーケティング。


静かに退場し、歩いていると後ろからなつちゃんが声をかけてきた。


「まこちゃん!かっこいい人いっぱいいたね!」


「そ…そうだね!」


「まあ、実を言うと、保護者席にもかっこいい人いたよね。一眼レフ持った…そっちの方がかっこいい気がする」


げ、あの書…ゴホゴホ。彼はイケメンとか論外だよ。イケメンじゃなくて、イケメソだと思う。


「そ、そんな人いたんだ~」


「うん!緊張して見てなかった?まあ、別にいいんだけどさ。部活何か入る?」


あ〜部活か。入ろうかと思ったけど、仕事もあるからな…。


「うーん、バイトやるから入らないかな?」


「え?そうなの?私、バスケのマネージャーやろうかなって思ってる。なんでも生徒会長がいるらしいし、イケメンいっぱいみたいなんだ」


「そうなんだ…」


「その代わり競争率高いみたいだけどね」


「頑張ってね...」


「ありがとう!」


そう言って、私の横を通り過ぎ、前の有紗ちゃんに話しかけているなつちゃん。後ろから男子のヒソヒソ声が聞こえる。


「…いよな。須川」


「明るくていいよな。美人だし」


ですよね!私もそう思う!心の奥で同意して、歩きを進める。


「なあ…」


ふと、呼びかけられたような気がして前を見れば、日向がいた。


えーと、私に呼びかけるわけないし、違う人だよね?と思って辺りを見回す。


「っ、お前だよ」


日向がそう言って、私の肩に手を置いた。

おう、なぜ私に話しかける…。


「えっと…何かな?」


「なあ、お前さ、どっかで会ったことないか?」


無表情でそう聞かれる。うーん、会ったことね…。スタッフとして紛れ込んだ時は変装してたし。会ってないね。


「会ったことなんてないよ?」


そう言えば、日向は驚いた顔をした。そして、そうか…と言って前を歩いていく。どうしたのかと首を捻っていればなつちゃんが戻ってきた。


「…今、彼と話してたけどどうしたの?っていうか羨ましい!」


「どっかで会ったことないかって聞かれただけだよ。私みたいのなんてクローンみたいにたくさんいるから誰かと間違えたんじゃないかな?」


「…クローンみたいにって滅多にいないと思うけど…」


「そうなの?まあ、3人以上見たら死んじゃうもんね」


「そっちじゃないけどね」


どういう事だ?そう思っていれば教室に着いた。



次も投稿してあります。


3/23 モデルのMAIについて面識なし→亮くんに同意に修正

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