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五月病

GW明けから数日。なんだかクラスがだらんとしている気がする。なつちゃんや有紗ちゃんもなんだかだらんとしているし、美智ちゃんに至っては


「うーん…メモリアルのコンサートどうしようかな…今回は行かないでいいかな?」


なんて呟いている。おかしい…。いつもは即答なのに。ぜひ、行って我社の利潤に貢献して欲しい。


書記にその話をしてみた。



「うーん…神聖なる社長のオーラに屈服したのではないですかね?」


速攻ビンタした。喜んでいる書記を横目に私はオーラなんか出てないと冷たく言って、去った。



おじさんに聞いてみた。


おじさんが言うには、五月病らしい。


「新入社員や新入生に多いうつ病なんじゃないか?」


そう、医学的に五月病はうつ病だ。四月からの新しい環境に緊張して張り切り、ストレスが溜まってしまう。まあ、五月病ならそのうち治るよね。


ただ、この空気の中にいると私、だらけそうですごく嫌だ。仕事に手がつかなくなったら、たちまち潰れる。



じゃあ、どうするか。簡単な答えた。みんなのストレスを発散させる。これが一番の答え。じゃあ、どう発散させるか。


茜に聞いてみた。


「そりゃあ、殴る、蹴るしかないだろ」


それは、一番いけないやつね。


進に聞いてみた。


「そりゃあ、殴る((ry」


結果、美女と野獣は相性ばっちり。


亮くんに聞いてみた。


「発散?なんか楽しいことすればいいんじゃない?」


なるほど。そうしたら、みんなで楽しいことをすればいいってことか。楽しいことのついでに6月に体育祭があるから、その合宿みたいな感じでちょっと提案してみようかな。中間の勉強会でもいいけど…。でも、私なんかの意見をみんな聞いてくれるかな?


純に聞いてみた。


「まあ、いきなりそう言うのは無謀だから綿密に計画を練って持っていけばいいんじゃないか?」


「え、でも…却下されたら」


純が私の頭を撫でた。


「大丈夫だ。綿密に立てるんだろ?社長の計画書で失敗は見たことないし、いつも綿密だ。今回のもそうやって立てればいい。きっと、クラスのみんなは喜んでくれるさ。それに…もし却下されても説得する強さが社長にはあるだろ?俺らもそういう社長を見てる。大丈夫だ。自信持て」


そう言って純は去っていった。


そうだよね!社長と同じで綿密に計画を立てて、合宿をしよう!場所は…区の公民館を借りて…。よし!


昼休み


昼休みのチャイムが鳴り、先生が出ていく。

今日は全員出席だ。みんなが教室を出る前に教壇に立つ。


「みなさん!お話があります!」


できるだけ大きな声でそう言う。出ていく人が何人かいるかなと思ったらみんな席についてくれた。優しい!


「えっと、少し早いんですが、勉強合宿しません?」


そう言えば、教室がざわつく。うーん。やっぱりダメかな?


私は手にしていた分厚い書類を教卓の上にそっと置いた。


「白雪さん、それは…」


委員長の木村君がそう言って、書類を指さす。


「えっと、計画書です」


再びざわつくクラス。やりたくないのかな?


「何が書いてあるんだ?」


再び私に尋ねる木村くん。


「大勢が泊まる施設の設計図とか、1日のスケジュールとか、誰がどの部屋とか…です」


やばい、視線が痛いよ。みんなが私をじっと見つめている。


「す、すごい頑張ったね…」


若干引かれてる気がする。す、すいません。こんなのキモイですよね…。


「す、すごいな!白雪さんは」


日向が突然立ってそんなことを言い出した。棒読みなのが気になる。


「そうだよ!すごいよ、まこちゃん!」


なつちゃんもそれに乗ってくる。やめて。棒読み大会ほど辛いものはないよ。


「よし、白雪さんがせっかく作ってくれたんだ!みんなで合宿をしよう!」


「「「おー!」」」


おう、なんか変な方向に向かってる?合ってる?


結局みんなの五月病は治った。けど…。



「ねえ、聞いた?白雪さんが盛大な旅行を計画しているそうよ」


「あー、クラスみんなでってやつでしょ?」


話が大事になっていて私は頭を抱えた。



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