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社員旅行

まさか…4月の章が31回で終わるなんて…


まるで年に沿ってるみたいになってますね。狙ってないですw

社員旅行計画は順調に進み、いよいよGWになった。


今回のGWは最初の2日が休日で1日は平日、そして3日休日だ。


もちろん、社員旅行は3日休日の方に入れている。とりあえず、2日は死ぬ気で仕事をして、平日は学校に出る。


学校はGWの影響だか休んでる人が沢山いた。美智ちゃんが学校へ来ていなかった。まあ、メモリアルはライブだからね!


そして社員旅行当日。


とりあえず、私は社長とバレないように鬘にメガネで白霧静としてバスに乗った。社員は希望によって個室と大部屋で分けている。よって、私が消えたところで個室なんだと思われるだけである。


課によってバスを分けているので私は1番人数が少ない第5課に乗った。第5課は亮くんのいる課だ。芸能やら遊園地やらおもちゃやゲームなど娯楽を担当している課である。ただ芸能の担当の人達はメモリアルのツアー動員やタレントの付き添いなどでごっそり仕事でいない。終わり次第合流という訳だ。そのため、第5課が1番人数が少ない。


私はひとり席に腰掛け映る葉桜の景色を眺めていた。


今回泊まるのは白雪社系列の『朝焼け』


『朝焼け』は旅館であり、温泉や露天風呂はもちろん、サウナやマッサージなど疲れを癒す施設が沢山ある。また、料理は一人前の料理人による手作りであり、素材にもこだわっている。勿論、人気の旅館であるが今回は貸し切らせて貰った。GWに行きたいって思っていた人ごめんなさい。お詫びに超高級旅館に無料で招待させて貰った。


そこに社員ほぼ全員が泊まる。もちろん、用事や行きたくない人などは抜き、会社の警備の者も残して行く。警備の人には後で大きなご褒美を与えなくちゃね!


「みんな、旅館に着いたよ」


亮くんがそうアナウンスすれば社員たちがキョロキョロしだした。



全員がバスから降り、1点に集まった。


「社員のみなさん!いつもありがとうございます!ここで2日間楽しんでお過ごしください」


葉月がスーツを来て営業スマイルで言った。これが営業葉月だ。めっちゃカッコいい。


すぐ様解散し、それぞれ部屋へと入って行く。私もその後を追う。中は、まさに旅館だった。木で作られた旅館だからか木の臭いがする。用意されたスリッパを履き、靴をスタッフに預ける。靴の受取り方までプロだ!


早速、部屋へと向かう。私の部屋は最上階になっている。3階の一角だ。3階まで進めば静かになった。ここは7人の小人の何人かしか取ってないもんね。


扉を横に開ければ綺麗な和室が広がっていた。10畳の畳が置いてあり、奥には、フローリングが4畳ほどあった。畳にはちゃぶ台と和菓子が置いてあり、フローリングには一人ソファが2脚と透明なテーブルが置かれている。おそらくそこから景色が見られるのだろう。


荷物を隅に置いて周囲を見てればドアが開いた。


「社長…」


この前のアミダで当たったのは亮くんだった。亮くん…私でゴメンよ。


「あ、お好きにどうぞ」


って、私の部屋じゃないんだよね!?私、何言ってんの!?


「失礼します」


そう言って亮くんは固い顔で荷物を置いていく。…ほんとに申し訳ない。


「あのさ…そんなに嫌なら今からでも別の人と」


「いや!それはないから大丈夫!」


即答された。なんだ、大丈夫なのか。


「じゃあ、どうしてそんなに固いの?」


「えっ…」


なんか亮くん挙動不審なんですけど。


とにかくジーと見つめよう。


ジー


「…」


ジー


「…」


ボンという爆発音が聞こえたように亮くんの顔が赤くなった。え?


「ごめん、亮くん壊しちゃった?」


やばいよ。我社のスカウトマンを壊してしまった。


「大丈夫!壊れてないよ!」


亮くんがそう言ってソッポを向いた。


ならいいのだが。顔はまだ赤いよ?


そういえばこのあとのスケジュールだとほぼ自由時間か。


そう思い、亮くんにこのあとどうするか聞こうとした所、急にドアが開いた。


「誠、無事か!?」


ドアの方を向けば葉月が立っていた。


「別に、俺何もしてないだろ。葉月」


亮くんがそう言ってむくれた。


確かに、亮くんは何もしてないけど、私の無事でどうして亮くんが何かしたという事になるんだ?


「…誠。俺もここに泊まりたい」


葉月がスーツのまま入ってきて私の前に座った。


「ん?いいんじゃない?」


軽くそう言えば、亮くんに殴られた。


「なわけないだろ!バカ!」


バカって言われた!亮くんにバカって言われた!反 抗 期 !


「俺はお前に聞いてない」


葉月がそう言って亮くんを睨んだ。負けずに亮くんも睨み返している。


うーん。こんなに仲が悪いなら同じ部屋はやめた方がいいよね。


「悪いけど、やっぱり駄目だね」


「…え」


「よくやった!誠!」


葉月が固まり、亮くんが私に抱きついてきた。思わず頭を撫でてしまう。


しばらくその状態でいれば葉月が動いた。


「…じゃあ、しょうがないか。覚えてろよ。亮」


最後の言葉はかなり低い声で言っていたが亮くんなにかした?してないよね?覚えてろよって言われるのは私だよね?


「はいはい。負け犬はさよなら。アッカンベー」


亮くんが私に抱きつきながらそう言った。


「…」


葉月はそれを横目に無言で出ていった。


「亮くん。葉月は怒ると怖いからそんなにからかっちゃダメだよ」


私は亮くんに注意する。葉月はバード大学の時から知り合いだが、昔は不良みたいだった。殴る蹴るは当たり前。バード大学では関わってはいけないという暗黙の了解が出来ていたほどだ。ま、私は破っちゃったけどね。


「もし危ない時は奥の手使うから大丈夫だよ」


…奥の手って何だろう。


「ねえ、誠。この後どうする?」


「私はなんでもいいよ?」


亮くんがニッコリと笑った。


「じゃあさ、ここの3階にあるテラスでお茶会でもしない?3階は誰も来ないし」


「いいよ」


もちろん答えはOKだ。亮くんとお茶会!楽しみだ!



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