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初恋の人

とうとう30話!

皆さん、閲覧ありがとうございますm(_ _)m

これからもよろしくお願いします(*^^*)

みんなから暖かい目で見られた翌日。なつちゃんが急にこんなことを言ってきた。


「まこちゃんさ、初恋っていつだった?」


机に身を乗り出して、頬に手を置く様は可愛らしさで溢れている。


「初恋か~」


いつだったかな。ずっと昔にいた男の子のことをふと思い出した。


気になってたって言えば気になってたけどちょっと好きとは違うかな?


「覚えてないな…」


小二までこっちにいたけど、そこで別れたもんな~。


「ふーん…そう言えばさ、まこちゃんの出身は何中だか知らないんだけどどうなの?」



え?やばい!誤魔化さなきゃ。


「私は…私立だよ!それに遠いし、言っても分からないよ!」


そうです。そういう設定です。


「そっか~」


なつちゃんはそこで追求を止めてくれた。


「初恋って言えば、噂聞いた?」


「噂?」


「そう。日向がアイドルになったのは好きな女の子を探すためなんだって」


私の耳に口を近づけて話すなつちゃん。少し耳がくすぐったい。男子が羨ましそうに見てるよ。うらやまでしょ!なつちゃんの近さ!


「そうなんだ~」


日向がアイドルやってるのは好きな女の子を探すためか。あ、だからオクロックのデビュー曲は『届かない君に』なんだ!なるほどね!遠くにいる人を思って歌ってるんだ!熱いね~。


「芸能人ってみんなそんな感じで仕事やる訳じゃないから凄いよね」


まあ、そうだよね。私は頷いた。


MAIだって、お父さんが事務所の社長だからやっているし、茜だって利益目的で活動してるし、メモリアルだってお金稼ぐためだよね。まあ、最初の彼らの志望動機は笑っちゃったけどさ。普通、面接でお金稼ぐためですとか言う人っていないよね。


会社の面接だってこの会社が素晴らしいので入りたいです。みたいな感じに志望動機言うじゃん?お金稼ぎたいからです!って面接でいう人いるのかね?まあ、いたら逆に大物だよね。私は雇っちゃうわ。お金絡めば確実に仕事してくれるしね。


そうそう。メモリアルのメンバーはオーディションで選んだんだけど、当初はメモリアルって名前じゃなかったんだよね。メンバーの志望動機が「世間に自分の記憶を刻みたい」って言った人がいて、余りにも面白いからメモリアルって名前にしたんだよね。


もちろんその人はリーダーやってるけど絶対負い目感じてるよ。まあ、ほかのメンバーもそんな感じの志望動機だったからお互い様なんだろうけどね。


「赤羽はどうなんだろうね~」


ぐほっ。なつちゃんの不意打ちジャブが私に…。ライフが少し減った。


赤羽くんは私が入れと言いました。



とは言えない。



「気になるね~」


苦笑いで誤魔化しておく。


「次の次体育だっけ?」


「あ…」


なつちゃんの言葉で私は思い出した。ペットボトル買わなきゃ。


「どうしたの?」


「ペットボトル買ってこなきゃ」


「飲み物ないの?」


「そう。ちょっと持って来忘れて」


忘れたっていうか、いつも家で用意するんだけど朝の走っている最中にトラブルがあって持つ余裕なかったんだよね。


「珍しいね。…悪いんだけど宿題終わってないんだよね」


可愛らしく舌を出すなつちゃん。お可愛らしいわ。


「オケオケ、じゃあ、行ってくるね」


そう言って、財布を持ち手を振って教室を出た。


そう、朝のトラブルは犬に追いかけ回されたんだよね。どうやら発情期だったらしく…御主人の元を離れ、私を見つけ、追いかけてきたよ。犬を何とかして誘導し、主人に届けるのに苦労した。


話は変わって私の学校の自販機は食堂、体育館の前、玄関、屋上に置かれている。屋上は使う人が少ないのか種類も少ない。という訳で、体育館の前の自販機に行く。


他の?他のはいつも混んでいるので…。


体育館前は閑散としていた。まあ、そうだよね。10分休みだもん。お茶を選択してペットボトルをゲットする。学校のペットボトルだから少し良心的な値段だ。


少し喉が乾いたから飲もうとペットボトルを開ければ、体育館の端に人がいるのが見えた。


私の学校の体育館はなぜか端にベンチがある。何故だかは七不思議。


こっそりと近づいて見てみれば日向が寝ていた。


あ、お仕事で疲れたんですね。お疲れさんです。一応、心の中でお辞儀をして、背を向ける。さっさと立ち去ろう。


「…ゆきさん?」


ふと、後ろから声が聞こえた気がした。恐る恐る振り返れば日向が目を開けてこちらを見ていた。


「あ、邪魔しちゃったよね。ごめん」


「いや、丁度目が覚めただけだよ」


そう言い、体を起こす日向。あ、本人にはちゃんと苗字で呼ぶ。なんか、アイドルとして最初認識していたから日向ってつい呼びそうになるんだよね。


「白雪さんはなんでここに?」


日向が金髪を揺らして聞いてきた。いや、自分で揺らしている訳ではない。風で揺れているだけだ。


「お茶を買いに来たんだ」


「へえ」


「…」


やべえ。会話が続かない。なに話せばいいか分からないや。なつちゃん達は色々と会話を向こうから出してくれるし、おじさんや、茜とか、バード大学の人は会話が合って凄く弾んだのに。私のコミュ力どこ行った。


日向はなに考えてるんだろうか。そう思って前を見れば日向は私をじっと見つめていた。


「え?なにか付いてる?」


思わずそう思って口に出せば、違うと言われる。じゃあ、なに?


「俺さ、ずっと好きな人がいるんだよね」


ああ、なつちゃんが話していたやつね。


「そいつはさ、小二で引っ越したんだ」


私と一緒なんだね。


「どこに引っ越したかは知らないんだけどさ、俺は探してるんだ」


なんでこの話を私にするんだ。


「見つかるといいね」


そう言って軽く微笑めば日向はさっと目をそらした。


あん?そんなにキモイか?見るに堪えない微笑みなのか?


自分のコミュ力のなさと早くここから去りたい気持ちが合わさり、イライラしている私がいる。


つい、心の中で暴言を吐いてしまうのは許してください。


「俺さ」


再び日向が私を見て口を開いた。真剣な顔だった。



「絶対に見つけてやる」


「は、はあ」


やばい、なんて返せばいいかわかんないや。驚いて適当な相槌になっちゃったけど、気にしない。


日向は私の反応にクスリと笑って言った。


「あと少しで授業だろ?俺はもう一眠りするから行きなよ」


いや~、これ明らかに眠りの邪魔しちゃったよね。申し訳ない。


せめて、と思い


「仕事、頑張って」


と言い私は校舎へと戻った。



「君に言われたら絶対頑張れるな。…まさか忘れられてるなんてな。誠。俺は君を今でも忘れられないよ」


1人残った日向が少し悲しそうな顔で、でも、顔を真っ赤にして、そう呟いていたのを私は知らない。


その時は ただ、呑気に歌を歌っていたりした。


「お芋が1個でスイートポテト。ジャガイモでポテトをお揚げましょ~」


勿論即興だった。



明日は更新お休みしますm(_ _)m

また明後日お会いしましょう。


ブックマークとかいつの間にか増えてて衝撃が走りました(゜Д゜)


コメディーなので笑って頂けると嬉しいです!

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