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side赤羽海叶2



本日3回目です。


今回はあっさりです。

モデルデビューして学校に真面目に通えばいつの間にかみんなの視線が痛くなくなった気がする。俺に結構話しかけてくれる男子も増えた。


女子がサインしてくださいとか集まってくるのは少しウザイが。


これも誠のお陰だな。


心の中で感謝しながら過ごしていた日々。


平和な日々がMAIの出現で消えた。


「赤羽くん、モデルやっているのよね?確か、カイトで」


その時の俺は彼女の本性を知らずに普通に答えていた。


「ああ、そうだが」


「私はモデルのMAIよ。私が先輩ね。よろしく」


「…よろしく」


今となっては後悔だ。この日から、いつの間にかMAIが隣にいて、男子からも女子からも遠巻きに見られていた。


「ねえねえ、カイト。私のこの服装どう思う?」


「…あのさ、悪いんだけど今宿だ…」


「私に似合うよね?」


「…似合うんじゃないのか」


「やっぱり!」


勉強している時も移動の時も話しかけられる。終いには一緒に放課後帰ろうだ。


家まで知られたら毎日押しかけられるんじゃないかとそればっかりは断っていた。


それから、しばらくして耐えられなくなった俺はMAIの目を掻い潜り、屋上で過ごす日々が増えた。


「また逆戻りかよ」


屋上で過ごす日々。誠に合う前に戻った気がした。


そして、あの日も俺は1人で黄昏ていた。


ふと、いつも誰もいない屋上へ誰かがやって来た。MAIじゃないよな?


不安に思い、言った。


「誰だ」


そこにいたのは誠だった。


誠はビニールシートを敷き、何故か俺に座れと言ってきた。文句を言いながらも何となく座る。


どうしたのかと聞かれたのでMAIの事を話した。そして、どうにかならないかも聞いてみた。


何となく、なんとなくだが、誠ならどうにかしてくれそうな予感だ。


案の定誠は案を出してくれた。MAIの親父が鬘か…。


お礼を言えば、じっと誠に見つめられた。それを嬉しく感じながらも恥ずかしくなりそっぽを向いた。




誠と別れて廊下へ行けばすぐ様MAIがやって来た。


「ねえねえ、カイト。これ可愛くない?」


「あのさ、俺、お前の親父がヅラなの知ってるぞ?」


思い切って言ってみた。


MAIがふと固まる。


誠の言ったことは本当だったのか…?


「ど…どうして知ってるの?」


「偶然知った」


そう言えば、MAIが縋りよってきた。おい腕に捕まるな。


「お願い。なんでもいうこと聞くから!パパがヅラなのは内緒にしておいて!」


凄い必死の顔でお願いされる。


「分かった。その代わり、俺に近づかないでくれ…」


俺はそう言った。言った後に少し罪悪感を感じてしまったのはきっと気のせいだ。


「そ…そう。なら、しょうがないわね。私はカイトに近づかない。だから、パパのことは内緒ね!」


「ああ…」


少し寂しそうな顔をして離れていくMAI。これは俺の平穏の為だ。


一人になってしんとした廊下を歩く。


…誠はどうしてヅラの事を知っていたんだ?あいつは何者だ?


俺はどうしても誠に対しての疑問が尽きなかった。


…今度尾行してみるか?



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