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赤羽くんはモデルになるようです

昼休み、いつも通り弁当を広げてなつちゃんや有紗ちゃん、美智ちゃんと食べているとふと、廊下を赤い髪が過ぎった気がした。


ん…赤羽くん。忘れてた。


一応、亮くんから後で聞いてるけど取り敢えず話を聞いておこうと思う。自分で誘っといて後は他人任せにして消えたからね。少し後ろめたい。



取り敢えず、赤髪の消えた方向へ行ってみることにする。


「ちょっと用事あるから行くね」


「了解!」


有紗ちゃんがそう返事したのを見て、そそそと歩き始める。ちなみにこの学校学食があり、食堂は結構広いらしい。赤羽くんの方向は食堂だし、何か食べようとしてるのかな?


食堂はとても広い。学生にあった様々なメニューが選べ、中には購買もある。


多くの人が食べてる中に赤髪を発見した。目立つよね、赤髪。


寄ってみればやっぱり赤羽くんだった。


「赤羽くん」


赤羽くんが、ラーメンから顔を上げた。


「…誠か」


そしてすぐにラーメンへと目線を向ける。


え?それだけ?私は赤羽くんと向かい合わせになる席に腰掛けた。赤羽くんの印象のせいか周囲に人はいない。


「ねえねえ、どうだったの?」


亮くんの話だと私は捕まって追い出された事になっている。


「…モデルになった」


だよねえ。君は売れるさ!と心の中で思いながらもそっか、とだけ言っておく。


「…1つ聞いていいか?」


赤羽くんはもうラーメンを食べ終わったのか箸を置いて私を見た。


「いいよ」


「お前、なんで俺が亮の目に止まると思ったんだ?知り合いじゃないんだろ?」


げっ!怪しまれてる系だよね?


「えっと…亮は目がいいし、売れるのは確実に売れてるなっていつも思ってたんだ。赤羽くんは見た時にオーラというか…なんていうんだろ。目を惹く感じがあって、私のクラスにオクロックの日向がいるんだよ。日向と同じ感じのオーラが…」


やばい。上手く説明出来ない。オーラ、オーラって、なんか黒魔術やってる系の女子高生になっちゃってない?こう、雰囲気違うってオーラの事なのかな?


「ふうん…」


納得したのかしてないのか微妙な返事を赤羽くんがする。そして、私をじっと見つめてくる。なに?嘘ついてないよ。亮くんを呼び捨てして、知り合いじゃないふりしたけど。


「な、なに?」


「いや、なんでもねえ。とりあえず、俺勉強しなきゃいけねえんだわ。なんかモデルやるからには学業も頑張ってって言われたんだよな。俺は…お前には感謝してるよ」


ほう...亮くん。赤羽くんのやる気を引き出したんだ。でも、俺はの後が聞こえなかったよ。なんて言ったんだ?


「最後、なんて言ったの?」


赤羽くんに聞くと、なんでもねえって返されそっぽを向かれた。解せぬ。


「赤羽くんは学力どのくらいなの?」


「ん?俺か?俺は…いつも平均よりは上取れてるけど…」


おお、平均わたしよりは上なのか。


「頑張ってるじゃん。そのまま行けばいいんじゃないの?」


「いや、亮に言ったら『まだまだだ。トップ目指せ馬鹿野郎』って言われてな…」


おーい、いつにも増してスパルタだな。亮くんよ…。


「まあ、頑張って…」


その時私は笑みを作ろうと必死だったから引きつっていたと思う。赤羽くん。心から応援するよ。


「…ああ」


どこか遠い目をして言った赤羽くんが悟りを開く日は近いと思った。


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