表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/93

やらかしちゃった数学

職員室から出て教室へ戻れば、クラスのみんなに見られた。あの、日向も私を見ている。なんかやらかした?


「まこちゃん!どうだったの?」


なつちゃんがそう言って駆け寄ってきた。


「?ああ!大丈夫だよ!大したことない」


「良かった!」


え?心配してくれたの?クラスのみんなも?いい子だなあ!


「ふふ、心配してくれてありがとう!」


嬉しくて満面の笑みでそう言えば、クラスメイトの何人かは視線を逸らした。


え?私の笑みきもい?なんかごめん。


「キラーだわ…」


なつちゃんが少し顔を引くつかせて呟いた。

え?キラー?殺すの方?そんなに笑みキモかったの!?


そんな風に思ってたらいつの間にか授業開始のチャイムが鳴った。



「数学始めるぞー」


担任がクラスに入ってくる。相変わらずのイケメンっぷりに女子が沸き上がる。

そう言えば、名前なんていうんだっけ…。


授業が始まる。最初は第1章の四則計算から。


という訳で、本日は四則計算です。はい。

2乗も出てくるけど、私には簡単すぎて、予習も出来てるし、暇。…しょうがないから、数学を使って仕事するかな。


予習ノートの空いている所に長方形を書き込む。結構大きめに。せっかくだから、ショッピングモール計画を具体的にしようと思う。

土地はできれば、某県の田舎めに作りたい。となると、あの市が適任かな。買えそうな空き地は、20k㎡ぐらいかな?とすると、駐車場除いて…15k㎡ぐらいか…。


縦3kmに横5kmの長方形にして、周りを駐車場にしよう。トラックとかの積荷は…駐車場の一部にして、内部構造どうしようかな。


よくあるのは2階から1階が見下ろせる形だけど、ありきたりだよね~。歩きやすくて斬新なのないかな。


「…き」


そしたら、エスカレーターとエレベーターはできるだけ色んなところに…。


「白雪!」


「うぇ、へい!」


驚いて変な声でちゃったよ…。

少し見上げれば先生がこちらを睨んでいた。


「お前…人が目の前まで来ていて、よく落書きできるな」


どうやらとってもお怒りのようです。ですよねぇ~。自分の授業聞いてない人がいたら私も怒ります。


「すいませんでした」


こういう時は素直に謝ろう。美形の怒りの形相程怖いものはない。


謝れば先生が溜息を吐いた。


「まあ、いい。次は気をつけろよ。で、黒板にある問題を解けと言ったんだが」


先生の言葉に黒板を見る。どうせ簡単な四則計算。


「お前なら解けるよな?」


少し挑戦的な目で私を見て、教卓へ戻る先生。私はもう一度黒板を見つめた。ただの四則計算じゃないの?なんか、ただの数字なんですけど。1729って…。アレですよね?タクシーだよね?


そう思い、1729=10³+9³と書く。


「これはなんの数字だ」


「タクシー数、立方体の最小値です」


そう言えば、先生はニヤリと笑った。


「お前…そんなに難しいの知ってるのか」


え?これは難しいの?みんな知らないの?驚いて目だけで周囲を見ればみんなぽかんと口を開けている。やばい!隠さなきゃ!くそっ先生め。引っかけたな!


「違います!凄い適当に書きました!」


「そうでもないだろ?タクシー数知ってるんだから。そう言えば…実力テスト平均点だったな。狙ったのか?」


「ほんとに適当です!狙ってませんよ!」


本当は、適当でもないし、狙ったけども!それじゃあ、私が身バレするから嘘を無理やり通す。


あまりにも必死に訴えたからか、先生は諦めたらしい。時間がもったいないでしょ。私への詮索より授業行けよ。


チャイムが鳴った。挨拶をした後、先生は不満そうな目で私を見て去って行った。


「凄いね!まこちゃん!先生にあそこまで言わせるなんて」


…どうしてこうなった。


その後私はどれだけ適当に問題を解いたのか力説し、クラスの誤解を解いた。



ちなみに誠は日本地図をかなり詳しいレベルで暗記しています。


タクシー数について詳しくはwikiをお願いします。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ