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メサイア学園 入学編 4

クリスマスイブで満月はなかなかおこらないらしいですな。次は19年後?どうせボッチには関係ありませんよっと

「なんなんですかあの人は!」


 その身からあふれ出ている怒りのオーラーを隠しもせずに彼女は自分の父親がいる部屋へとその足を運ぶ。


 「お父様!」


 バンッ!と勢いよくその扉を開けて、彼女は自分の父親に向かって今日の起こった出来事を聞こうとした。


 「な、なんだ!?そんなに慌てて」


 当然そんな事情などしらないクリスの父親‘ヴィクトル・ルマニア’は突然、礼儀も忘れて入ってきた娘に驚き、注意するのも忘れて彼女の言葉を聞こうとした。


 「マリア先生のことですわ!先生はお父様のことを友人とおっしゃってましたが、本当の事なのですか!?」


 「マ、マリア先生のことか?彼女は確かに私と月に1回酒を一緒にたしなむ中だが、彼女がどうかしたのか?」


 「どうもこうしたもありません!なぜあのような教師らしからぬ人と月に1回会うだけでなく、あのような方が先生などやっておられるのですか!?さらにマリア先生は自己紹介をした後いきなり消えて臨時の講師の方に任せたとおっしゃってました!これは教師としてよいことなのですか!?さらにあの臨時の講師の方は何でも屋の庶民とおっしゃってましたわ!そんなどこの馬の骨ともしらない人が臨時の講師なんてメサイア学園の理事長様は何をお考えなのですか!」


 「す、少し落ち着いてくれクリスよ。そのマリア先生の事なら今日王国に呼ばれていて大事な会議に出席していたのだ。だから途中で抜け出してしまうことに関しては考慮してほしい。それとその臨時の講師の方だが、彼なら大丈夫だ。庶民とはいっても万屋‘アルフォート’はそれなりに王国でも知られていて実績がある。」


 「王国で実績を残している!?」


 なんとあの庶民の臨時講師は王国で依頼を受けるだけでなくそれを実行し、成功させるということをしているらしい。王国で依頼される内容としては、基本的には魔物の討伐が主になり、そのレベルも一般の冒険者では受けられないようなものばかりなのだ。つまり彼の実力は王国騎士団と同レベルということになる。たしかに体はしっかりしているように見えるがとてもそんな実力の持ち主にはみえない。


 ここで魔物と冒険者に関して少し説明をしよう。ファウスト王国だけではなくすべての国の間で自由に通行したりするために必要なライセンスがある。それはギルドで冒険者登録をするときに交付される通称‘ギルドカード’このギルドカードにはさまざまなランクがあり、登録直後は原則としてFから始まる。ランクにはF・E・D・C・B・A・S・SS・SSSといった具合にあり、ランクを上げるためには王国からもらえる‘テスト’に合格するしかない。テストを受けるには実績が必要でFは王国近辺でとれる薬草や戦闘のあと片付けなど雑用から入り、魔物の討伐はDからスタートする。現在SSSは存在しないがかつてこの国を治めた騎士アルトリウスがあまりにも強大で他を寄せ付けなかったために特別に作られたランクである。SSは全王国で10名弱と少なく、王国騎士団はAランクとなる。ちなみにマリアも王国の依頼で他国に出張したりするのでこのライセンスを登録している。ランクはAだ。


 これはいずれ国を支える貴族としては絶対に受けるライセンスなのでいづれは彼女達も持つことになる。ごくたまにすでに受けている者もいるが。兎に角あの臨時講師はそのAランクとほぼ同等ということになる。基本的に庶民とは冒険者家業になるものが少なく、なれたとしてもせいぜいCランクが限度だ。


 これは珍しいことではなく、貴族に流れる血が優秀な者ばかりなのでおこることなのだ。なので実は冒険者家業の中でBランク以上のほとんどが貴族などの立場が強いものが占めることになる。

 とはいえ、魔物討伐に向かう冒険者は基本的に庶民の冒険者や騎士が行う。あくまでも通行証として使うのが一般的なのだ。



 「そうだ、彼の実力は確かなものだからクリスの心配するようなことはまずない。どうしても気になってしょうがないというのなら一度彼のホームにお邪魔をするといい。何か新しい発見があるかもしれぬ。最悪彼のホームで勉強するのも許可しよう。門限はあるがな。」


 「っ!!・・・それには及びません。私は元の実力ではクラスでもトップクラスなのです。そういった荒事に関しての教えは騎士の方々からご教授を願います。」


 クリスはそういうと明日の支度をしようと父親の自室から退出をした。

 ヴィクトルは娘のプライドの高さと天才故の驕りを感じとり、ため息をつくのであった。

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