賑やかな帰宅
未来のえじき(年幅も狭い親と会うのは気が引けるが、ふところには
高校時代の俺の財布しかないわけで、この時代に居座る以上は
当時と同じく定時に従いこのまま帰るしかないようだ・・。
案外接し方なんて気にしないでいい。きっと普段どおりを気取るだけで
当時の俺をそのまま演じれるはずさ。
人間なんてそんなもんさ、誰しもどれだけ歳を重ねても
大人になったつもりでも
実際は子供のころと何一つかわっちゃいないのさ。なーんてね。
あ、そういえばあいつ(若い俺)どうなってんのかな・・
もしかして逆にあいつは俺の時代に・・
・・って俺向こうでは肉体がロボだし、せいぜい寝ながらリサちゃんと
お話くらいしかできねーかw ははは。)
えじきパパ「おいえじき、どうしたその手の包帯?」
えじき「・・パパ・・」
えじきパパ「?」
えじきパパ「おいどうした、目が真っ赤で・・
もしかして学校でいじめられたのか?ハハハ」
えじき「・・いや、まあ・・目にゴミが・・」
えじきパパ「釣り行くか?・・あ、無理かその手じゃなー。今日の夕飯いっぱい
もって帰るから待ってろよ~」
「ブロロロロロ・・」
えじき(・・今日土曜なんだな。
昼から夕方にかけて
いつものクルーザーで船釣り。
バブリー全開。
そしてそして、、出発のエンジンの音と同時に
アダム(飼い犬)が遠吠え。
彼の元に全速力で走る。
アダムのいつもどおりの
あたかも10年ぶりの再会かのような
大げさすぎる全力での歓迎。
全身に走りめぐる10数年ぶりに蘇った
温もりと鼓動、息遣い、匂い、声・・。
めまいのように点滅する視界。
こんなに涙があふれ出すのはいつ以来だろ。
アダム~~
・・そういえば学校帰りはほぼかならず
母の店(喫茶店)に寄るのが日課だったな・・
でもまあさっきこの高校の俺はなぜか
あの妙なスパイとデートしてたしこの次元は
俺の過ごした過去とは微妙に違うんだろうか。
ていうかタイムトリップ知ってるとか・・
まあもともとこの街はおかしかった。
俺が最終的にこの街で就いた職も
都市伝説の題材にでもなりそうな
子供のころ抱いていた現実の姿とは
大きくかけ離れた現実ばかりを叩きつけられた。
正直、なんだかんだいっても、
タイムトリップの存在を知ってもさほどのショックは感じられないほどだ・・。
ただ、タイムトリップは都市伝説でも、
これは夢があるな。まあ想像よりエキサイティングではないが・・
悪くない。まあ冷静に考えて・・色々と疑ってどうする。
楽しまないと損だよなぁ。もっとテンションあげて楽しんだるか~
・・しばらく、怪我もしてるし
いろいろと面倒だ・・部屋に篭るか。
部屋の中物色すればだいたいこいつ(俺)のことわかるだろうし。