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偶然はいつもGOD BLESS YOU

あたり一面は淡い桃色の花景色、

目の前には真っ白なゲート。

その先の建造物はおそらく校舎だろうか。


生まれたての羽のような背後の柔らかな風に押されて

俺たちはもうじきそこへたどり着こうとして・・


・・?


腕に絡み付いていた

彼女のかすかな温もりの記憶。


四方を取り囲んでいた視線とざわめきの記憶。



目の前の光景はただ一定の形を保ったまま、

まるで手の届かない場所で輝く星々のように

通り過ぎた残像のような淡さを纏っている。


違和感。


期待でも不安でもない。


今の胸を締め付けているもの・・

それはずっと遠い昔に離れていった宝物ものたちへの懐かしさと切なさ。


始まりの春の記憶はセピアに染まる。


・・・・・ああ、、懐かしい・・・-----------------




「ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」


栄治樹「・・わああっ!!!

・・保健室?・・あ・・あれ・・!?」


「あはは、保健室なんかじゃないわ・・

学校いってたんだ?(笑)」


栄治樹(ああそうだ・・そういえば、仕事の帰り・・事故ったのか・・

指一本動かねえ・・体やばいのか・・。

ここは・・教会・・!?・・病院じゃない・・?? )


理鎖「・・しばらく動けないのよ・・しばらく寝ててもらうから。

わたしは黒伊豆理鎖。まああなたの熱烈なファンとでもしときましょう。」


栄治樹「ファンって・・??俺がバンドやってたことろの??

りさちゃん・・いたっけ??

君みたいなスーパーデルモみたいな白人の子

明らかに会った記憶ないんだが・・」


理鎖「あたしバンギャやってたのに覚えてないんだ・・

まあいままで何回も整形してるし偽名だったし、すぐやめちゃったしね・・。」


栄治樹「・・いや、どう見ても整形でわからなくなったってレベルの

美貌じゃないだろそれ・・街歩いてて違和感で浮くレベルだぞ・・(汗)」


理鎖「まあ、世の中にはあなたの知らない非常識がたくさんあってよ。

これもその一つにすぎないわ。いままであなたは

隠蔽された包囲網のなかで特定の差し出された都合のいい理論や

常識だけのなかを泳いでいた。それだけ。」


栄治樹「あーそうですか、頭疲れるしそんな話もういいや、

とりあえず俺は事故ってこうなっちゃたというのはわかったから・・。」


理鎖「残念ながらこれは偶然の事故なんかじゃないわ。あなたは重要な任務に失敗したのよ。任務失敗したのに反省もなく

ご満悦の表情で山道でドライブとかしてるから

たぶん上層部の逆鱗をかったんだろうね・・

なんというかあなたは勉強家のわりに色々とツメが甘いというか

肝心な部分が抜けすぎてるわ・・典型的A型というか・・」


栄治樹(畜生、わけわかんねえ・・何だこいつ、

何が起きてんだ一体・・)

「お前うちの会社の上層部の人間か?

つーかなんで失敗なんだ!?

俺の仕事・・完璧だっただろう・・!!?」

(・・あのニート野朗ごときを手なずけるのがそこまで重要な任務だったというのか・・!?)


理鎖「だからそこが典型的A型だっていってるんじゃん。もう。


”名村自由”は神の子だからね。

信じられないと思うけどこの世界はあの子を軸にすべてが動いてるんだよ。そしてあなたもそのコントローラー

として期待されてたの。でも失敗した。

だから今、あなたはここにいる。個人的に私はあなたのことお気に入り

だし、壊されたのが許せなかったことと、組織の方針はなにかと

古文書展開にこだわって飽きてたところだし、

プライベートで瀕死のあなたを拾って蘇生したのよ。

まああたしがこうやって自由に活動できるのも組織の許可範囲に

すぎないから、反抗してるわけじゃないけど。

なんというか・・プロレスよ。わかるかなこの意味・・わかんないよね・・。」


栄治樹「なんだそりゃ、お前と話してると頭が混乱してくるな・・。

じゃあお前は神様か??神様の使いか??

てか・・ここどこなんだ? ・・どうなるんだ俺・・。これ、なんなんだよ・・麻酔で麻痺してるのか・・? これから激痛がやってくるのか?」


理鎖「あたしは神じゃなくて、しがない元バンギャだってば。

これからはもっとなんでも

自分自身で深く追求して、答えを探そうとする

癖を身につけてもらわないとね。

答えを探すまでのプロセスに存在する

喜びをあなたはまだ知らない。


あなたには新しい使命を用意されたわ。

だからあなたは生まれ変わったの。

安心なさい、これから死ぬことも苦しむことも無いから。


麻酔なんてかけてないわ。

あなたの体はもう全部機械・・

ほら、包帯の下はこんなかんじ。」



栄治樹「ひぃっっ・・」


クリス「あなたの意思は差し込まれたマイクロチップから伝達してるだけ。

よかったね、すべての自由を失ったことを引き換えに

人間の肉体という痛みから解放された状態よ。


でも、ここでずっと寝てるだけなんて

つまらないでしょう。


だから、ほら、鏡を見てごらん

・・すごいんだよあなたの今、到達したこの世界・・」




栄治樹「うは・・☆」



理鎖「いってらっしゃイルカ☆」



栄治樹「・・い・・行ってきマウス☆」


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