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―第3章 デート―
第3章の前にモノローグを。
白い猫が走っていく。その口にはチケットを咥えて。
「待てっ!」
俺はその猫を必死で追いかけるが、なんでそこまで必死になってるのかは謎だった。
追いついた――そう思った瞬間、チケットは猫の口からひらひらと舞い上がり、真っ青な空に溶けこんだ。
ばっ!!
飛び起きた俺の背中はびっしりと汗をかいていた。よく覚えていないが、悪夢だった気がする。
それが何の予兆だったのか――俺はその後、身をもって体験する。自分の失態を――
紅谷のとある日にみた夢です。
次話から第3章です。