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ウラニス戦記  作者: 7s9


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目覚め後

第3話


前回まで


給食争奪戦後にマラルと個人的な仮想戦闘を行い、敗北したヒュラ。

媒覚の均衡変化に伴い、眠りについたヒュラは、奇妙な夢を見る。



ヒュラ

「釣りにでも行くか」

目覚めたヒュラは、魚釣りに出かけた。



導入


①釣り竿の糸に手応えがある。

ヒュラ 「これは!」


②ヒュラが立ち上がりながら、糸を巻く。

竿が大きくしなり、両腕で釣竿を握りしめるヒュラ。


③ヒュラ

「どうやら大物らしいな」

ヒュラは仁王立ちで踏ん張る。少し手間取る様子。

ヒュラのお腹が鳴る。

(特大のメタルフィッシュに違いない)


④頭上で黒い鳥の大群の影が通り過ぎて行った。


⑤ヒュラに釣り上げられた、大きめの魚が姿を見せる。

ヒュラ 「やったぜ!」


⑥魚を手に取ったヒュラ。

一瞬、夢の光景が脳裏をよぎる。

肥満状態の民が魚を貪り、首を吊って宙吊りの男が2人。


⑦ヒュラは頭を横に振り、その光景を頭から取り除いた。



⑧ヒュラが(釣り上げた魚を入れた)箱を抱えて森の中を歩いていく。



⑨森を抜ける途中、ヒュラは学校帰りのネラと遭遇する。




山場1


①ネラ

「ヒュラ、具合はもう治ったようだね?」


ヒュラ

「もう回復したよ」


ネラ

「元気そうでよかった。試験日に欠席するなよ」


ヒュラ

「軍校試験な。休むわけないだろ?」


②ネラ

「C級選抜戦だけじゃなく、成績と書類と筆記もあるからな。

全部通らなきゃ、バリリオンズには入隊できないしな」



③ウラニス7では、十分なエネルギーが自給できるので、民の総人口が居住可能な環境が整っていた。

ウラニス7の軍事機関バリリオンズは、他惑星からの襲撃者ハドラリアーと仮想戦争をする。


④ハドラリアーとの対戦資格を有するのは、C級以上の正規隊員。

正規隊員であれば、高等軍事学校(高校・軍校)に進学可能となる。


⑤ヒュラは、取り戻したい友がいた。

その友は、他の星にいるはずだった。

友を取り戻すには、大いなる力が必要となる。

彼は、最優秀戦闘員であるS級に昇格することを目標としたのだった。


ヒュラとネラが森を抜けた。


⑥ヒュラ

「こんな時期に欠課したのは痛いな」


ネラ

「今日は一緒に受験対策をしよう」


⑦ヒュラ

「それはありがたい。

ついでに、魚をご馳走するよ」


ネラ

「ありがとう。ヒュラは昔から魚釣りがうまいな」


ヒュラ

「まあ、あの村では、漁師顔負けの腕前だったしな」


⑧ヒュラとネラは、幼い頃に、少し離れた隣村に住んでいた。

隣村は、スラム街の辺縁地域。

ヒュラは物心がついた頃から、スラム街とその村を行き来するようにして、1人で生活していた。

かつて、彼らは魚釣りの腕前も相まり、村の不況を救ったことがある。


⑨彼らが生活していた地域は、魔の世界戦により、壊滅状態となった。



⑩当時、ヒュラはクラムスと仲が良かったが、共に過ごした記憶の一部は不自然に消失していた。

クラムスの消息は不明。

魔の世界戦以前からヒュラが知るのは、ネラとケラの2人だけ………。







⑨ヒュラとネラがヒュラの家に着く。



⑩ネラは、ヒュラのプリント類と、自分のプリントや資料、ノートなどをまとめ、準備した。



*ステレオの3機能

*フィールドとレンジについて



山場2


①ヒュラ

「敵の運動を妨害できる重力すら作るのは困難だ。

仮に敵1人の自由を、重力だけで完全に奪えたとする。

隔系なら、それと同じメレピン能力で、核ミサイル1,000,000発は軽く弾き返せるぞ!」


②ネラ

「重力場の操作を正面からの直接攻撃には使わないだろう?

重系なら、重力場で加速度変化が可能となる時間と場所の範囲を任意に指定できる。

それに、いかなる場面でも防ぎようがなく、能力ごと引き寄せる。

これって、凄く応用価値が高いんじゃないかな………って、思う」


③ヒュラが、まるで賢い幼稚園児を見るような目で、ネラを見つめた。

少し自信無さげになったネラが、下を向く。


④クラスで圧倒的な存在感を示す凄腕のヒルは、特殊能力をほぼ使わずに主席の座を守り抜いている。 

そんなヒルから、ヒュラは、重系らしく戦う術を学ぶべきだと繰り返し指摘されていた。


⑤ネラ

「もちろん、重力そのものがあまりにも微弱すぎるけど………」


⑥重力場の効果は、シールドやバリアのほとんどが無効化不能である。

この防御不能性を応用した例は多く、重力場を敵に誘導する過程で、攻撃の敵への誘導に用いられる。

さらに、ヒュラ自身の重力的特性は、ある程度なら変化可能である。

ただし、攻撃そのものの能力性には、なんら変化はない。


この攻撃方法から着想を得て、電磁系のネラは、磁力により電磁攻撃を誘導する技を好んで使用する。


⑦ヒュラ

「一般に、技の特性は一長一短で、どれも互いにトレードオフ。

能力や技は、効能が低いほど、場面を選ばず適用可能性が高い。

重系の場合は、効能が無に等しいくらいだけど」


ネラ

「そうだよな。重系ってどんな戦闘なら有利なんだろう?」


⑧ヒュラ

「実際のところ、さっき君が言った事に尽きるよ。

場の形状変形と範囲指定の性能は重系の救いだ。

でなきゃ、わずかな能力効果すらも期待できないからな」


⑨ネラは以前ヒュラが言ったことを思い出した。

「戦場では、たったの数mmや0.01%程度の力の補正が、数秒や数%の状況的優位を蓄積するものだ」


⑩ネラ

「君の最大の強みは、戦闘のセンスがずば抜けている事か。きっと君なら、優秀な戦士になれると思う」


⑪ヒュラ

「圧倒的な不遇系統に適合したステートなんて、憂う事じゃない。

僕は僕にしかない方法で、僕の理想を叶える。

そのために、誰よりも強くなってみせる!」




引き


①ネラには、ヒュラが少し強がっているのがわかった。

重系がどれほど不遇かは、電磁系のネラにもわかっていた。




②ネラ

「明日は最後の給食争奪戦だね」


もうじき中学校も終わり。

受験手続きを踏んで、書類選考、筆記試験、実技のC級選抜試験だ。

軍高は寮付きで結構自由度が高く、講義自体はかなり少ないらしい。

課外活動とか、自由な活動も多いし、戦闘練習とか実戦とか、本格的な戦闘員としての職業活動が入るから、かなり特殊だよな。


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