デストピア
こんにちは
太陽がなくなったらさ、生命は絶えるね
耐えられないからね
妙なる調べに耳を傾けている暇はないよねしらふには
そんなことを思いつつ模試を受けるのです
地球に穴が開いたらたまたま球を落とすらしい
ひゅーっと吸い込まれた球は
単振動よろしくポインポインするのかしらん
隣の最近インナーカラーを推しのために大枚はたいて染め上げた群青が毒々しいまでに鮮やかな白ギャルを盗み見る
彼女のペンはすらすらと答案用紙を汚していく
月のクレーターの細かな陰影を緻密な描写で縁取っていく
未来のこの子は分厚い宇宙服を着て、重力が六分の一、そのときにはもうインナーカラーはやめてて、坊主を金で塗りつぶして
育ちやすい植物の研究でもハミングしながら存外に低音なバイブスを醸し出すのが鮮やかにまぶたの裏に浮かぶ
時計の針は進まないことはない
限られた面積の用紙は空欄と私の筆圧で歪んだ粗さにとらわれている
この結果が人の行く末を暗示することをセルロースは知らない
だれの責任でこんなきしょいことしなきゃなんないの
お金稼ぐ私はスターになんかならなくて良いの
きっとインナーカラーのこの子はそんなこと考える隙もないくらい人生謳歌しちゃってる
彼氏から電話が来てもスマホはならない
バイブも切ってるし、サイレントだし
でも聞こえてくる
ぶるぶる震える膝に伝わる波動がリアルにそこにある
センセーッ
トイレに行ってきてもようござんすか?
って挙手してもさ、死ぬわけじゃあるまいし
でも不思議とそんな心地にもならないのが摩訶不思議
もしもし?
今模試受けてんの
もし怒られたら怒るよ?
それはもうしわけない
私の彼氏はしっちゃかめっちゃかだから
倦怠感よりも先に倦怠期は過ぎた
と思ってやまないらしい
青春は一度きり
池袋で歩いていると本当に一度きり
だからこそ試してみたい愚かな衝動
でもいっときの感情に揺るぎない全能
ベルカーブのどの辺りにでもいそうなおじさんに
大枚はたいてもらえるのなら
それも許容範囲なのね
いつもいつも感謝してる
この制服のシワと私とホワイトボードと
コテでやけどした皮膚はザラザラとした痛みが濁る
何度やっても上手く行かない
ユーチューブでは簡単そうなのに
どんなふうになっても
綺麗だとか、可愛いだとか
昨日までならさ、そりゃ嬉しかったよ
大人になるってどういうことなの
フックの法則使える場面なんて実はめっちゃありそう
頭が回らない
なのに問題用紙の物体は第一宇宙速度でぐるぐるぐるぐる
脳みそパカってしてさ、増感させてみたいよね
宇宙の鼓動をダイレクトにイメージングするのって
化粧していったときの変化にそっくり
目の前に神様がいたらアガるよね
あね、あーね
会話はそれだけで十分
あれ、インナーカラーのこの子は寝てる
目玉焼きには空気派です




