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青い傘  作者: Poppo
1.いつものにちじょう
2/2

閑話 紹介

 ここは孤児院「青い傘」。孤児院といえば何か事情があって親を亡くし、連れてこられることが多い印象があると思う。だけどここは色んな国で活動するボランティア団体が活動先で保護した子供の一部を預けているらしい。だから定期的に新しい子が入ってくる。たまに団体の人も来て、施設に寄付してくれるからありがたい。

 ここの子供達はよく面白い話をしてくれる。みんな僕とは違う世界が見えてるようで、よく気になることとか新しく知ったこととかを僕に教えてくれるけど全然思いもしなかったことを言われることも多くて僕自身も勉強させられる。そういうことも含めて、この職場は楽しい。

 ここでは昼と夜で働く人が変わる。僕は昼間に働くので基本的に夜の人とは深い関わりがない。引き継ぎで軽く顔を合わせる程度なのでどんな人間かはよく知らない。ただこっちの時間帯の方が子供達と長い時間接することができるし、先輩たちも面白い人が多いから昼の方がいいと僕は思ってる。あと院長いわく、夜は子供を狙う輩に度々襲撃されるらしく、戦闘できるような人が配置されるらしく、僕のように普通に生きてきた人間は命を落とす危険もあるらしい。昼間はちゃんとした人たちが守っているらしいが夜は視界も悪く突破される危険もあるとのことなので施設の職員もちゃんと訓練された人にしているそうだ。ただの子供だろって思っていたけど、孤児は奴隷などの使い道があるらしく、裏での取引もいまだに多く残っているそうだ。これを聞いた時はまったく酷い話だな、とまあ普通の感想を抱いたが、同時にそこまでして孤児が欲しいか?という疑問も沸いた。まあきっとそうでもしなければ生活できないほど貧しい奴らか、人を痛ぶって楽しむサイコパスな奴らなんだろうと勝手に思った。昼間に働く先輩方はその都度紹介しようと思う。

 そして最後に僕について紹介させてもらおう。僕は前田健太。この春からここに働き始めた、いわば新人である。僕は大学に行かなかった高卒であり、まだ18歳ではあるがここの施設では仕事の成果などで評価されるから、僕にとってはいい条件であった。まだ入りたてで仕事もおぼつかないしよく先輩から注意されることもある。ただ子供の笑顔が見られるし、なんと言っても楽しいからもっとがんばろうと、そう思うことができる。

 さて、ここの紹介はこんなもんにしておこうと思う。次からは僕の平凡だけど他にはない日常を書くことができると思う。明日以降の僕に期待して終わろう。それじゃ、おやすみ。


20××年5月9日


[保存資料「日記」1ページ目より]

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