6 この歳になって~ホモ疑惑が出たのですよ。
・・・「何も見えませんよ?」俺は会長に告げる。
「ああ!そうじゃっったそうじゃった!【ステータス・オープン!】」と言った瞬間に・・
ブーン!と言う羽音?の様な効果音と共に、21型テレビサイズの半透明な【何か?】が現れたので・・
俺は思わず「ワーオ!」と、心の叫びを声に出してしまった。
「フフフ君も昭和の人間じゃの!【ワーオ】なんて久々に聞いたよ!」と揶揄われる。
「会長!そんな事より・・これって何です?」俺は半透明な画面を手で触ろうとするが【素通り】してしまう。
「やはり、ワシしか触れないのか・・」と言って会長が画面を指で触れると、画面が【スクロール】して、別の画面が現れるのだった・・
「これって、スマートフォンみたいですね!面白い」と見とれていたら・・
会長は「見とれていないで、君も言ってみたまえ!」と、自分の画面を閉じて、俺に催促したので・・
俺は立ち上がり、片手を中空に指し示し・・「それではまいります・・・【ステータス!】『お茶をお持ちしました』・・えー!」
俺が決めポーズ!を取って一人で叫んでいる姿を【女性事務員】さんから・・バッチリ見られてしまった!恥ずかしい!
『ゴホン・・ここに置いて行きますので、ごゆっくり!』バタン!
2人は顔を見合わせると【連合会長】は胸をなでおろし「危なかった!危なかった、変態ジジイだと思われるところだったよ!」とニヤニヤしている。
俺は・・「あ?何も見えませんよ・・【ステータス】【ステータス・オープン】」と何度も叫ぶが、やはり何も現れなかったのだ。
「会長、何か変わった事ってありませんでしたか?」と聞くと・・
「あ!庭のハウスに【変な木】が生えていたので、抜いた事くらいかな?」と言う。
「ちょっと、見せてもらっても良いですか?」俺は近所にある連合会長宅に連れて行ってもらうことにした。
===魔物の木?===
Y県の田舎は、敷地は平均して100坪の家屋敷も珍しくは無い。
会長も農家なので、母屋・息子夫婦の家・農作業小屋・車庫・・そしてビニールハウスがある。
最近は、TVにも出て来るのでおなじみであろう。母屋と同じ大きさのハウスである。
会長はハウス入り口のビニールシートを・・ガサゴソ・・とめくり「どうぞ、我が城に!」と田舎ジョークを言う。
Y県の1月は、晴れていても気温は5度から上に行くことはほとんど無いのだが・・「あったかいですね!さすがハウス!」と本音で感心していた。
「そうじゃろう!ハウスは真冬でも【0度】を下回る事がほとんど無いので、庭の雪捨て場として利用していたんじゃが、ほれ!中央に【変な木】があるじゃろう!」と言って、合板コンパネ板や農機具の奥の場所を指さす。
「あ~何か木?蔦の様なものがありますねえ・・」俺は会長より先に・・モッサ~モッサと湿った土の上を歩いて行った。
ちなみにだが、Y県では通年【長靴】を履いて過ごすのが普通なので、読者は覚えておく様に!
俺は【蔦が絡まって、樹木化している】ものを間近で見る。