3 天女なんかが現れたら~仕事なんて手につきませんよ。
56歳の【妻】は・・「お父さんも【天女】を見たのね!あれってホログラムでしょう?TVの技術ってすごいのね!」と、【神の御業】を【科学の進歩】だと思いながら・・寝そべってスマホを見ていた。
「いやいや!あれは本物の女神だったぞ!羽衣でオッパイが微妙に見えない所なんか・・」俺が熱く語れば語るほど・・
「うわ!~お父さんの口からオッパイなんて言葉聞きたくないんだけど!」と娘に怒られたので・・この話は【オシマイ】となった。
====1月10日===
翌日、午前8時20分、俺は【普通】にコミュニティセンターに出勤した。
俺より少し早めに出勤して【鍵開け】と【ボイラー点火】してくれた20代の【女性事務員】さんに対して、労いの挨拶を忘れない。
「おはようございま~す。今日も早くからお疲れさま!」
事務員さんは俺に対して「おはようございます!昨日は式典の最中に【天女イリュージョン】があったそうですね!私も見たかったです~」とニコニコして言うのだった。
俺は「ご両親は何歳だっけ?【天女】を見たとか言ってなかった?」と聞くと
「別に・・40代ですが何か?」と答えてくれた。
おそらくは【人間50年!】という感じで・・40代は姿も見えないし声も聞こえないのだろう。
昼の休憩時間になると、交代で休憩を取る。
俺は一人になると、TVを付けたり、ラジオを聞いたり、スマホでニュースを検索したり・・色々調べたのだが、ネットニュースの【AHOO!】サイトにだけ
「F県F市で【集団催眠】が発生し、高齢者1名が死亡、1名が緊急搬送されました」とだけ流れていた。
俺は昨日のパンフレットをポケットから取り出しメモを見直した。
【種を蒔く】【一人で立ち向かえ】【恩恵は無償ではない】
「うーん・・何かを【与えてくれる】ことは間違いないのだろうが・・種?」
結局、昼休憩の時間は足早に過ぎて行き・・俺は不安とモヤモヤした気持ちで仕事なんか手に付かなかったので・・
「ちょっと、本庁(市役所)に行ってきます!」と公用車で出かけることにした。
運転しながら【B-TUBE】と言う動画サイトを見ていると(本当は駄目なのだが)【女神が降臨】という動画が目に付いたので~高速道路のガード下まで車を移動している~わずか5分の間に、動画が【消去】されてしまっていたのだった。
市役所に付くと、コミュニティセンターを総括する部署に行き【連絡袋】を回収する。
ついでに、裏口の警備員室に立ち寄って【一番歳を取っている】警備員さんに声を掛ける
「昨日、全国で【天女イリュージョン】があったんだって、知ってた?」と。
警備員さんは「昨日は私、地区の【新年顔合わせ】に出ていたんですが・・【天女のオッパイが見えない】事が悔やまれる・・」旨を話してくれた。
俺は、【見えなかった事が・・】もとい!【誰もが見ていたが・・】間違いないと分かり、安心したのであった。