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9.うちの家族って一体……

田舎暮らしを始めて7日目。




スマホからお知らせ音がなった。


えっ?もしかして繋がった!!


急いで画面を開いてみると、父から連絡が来ていた。


“生きているか?

田舎暮らしはどうだ、あまりにも連絡が来ないので

何か特別な事態に巻き込まれているのではないかと思って

連絡してみた“


その文章を読んだとたん

何故か父には、本当の事を話そうと思った。


“実は信じてもらえないかもしれないけど……

家ごと異世界に来ちゃったみたい“


そう打ち返すと、間髪入れず返事がきた。


“やっぱりそうか、この時代はお前が選ばれたか”


えっ?えぇぇぇぇ!!

父さんや真面目に返事返さないでよ……。

それとも冗談なのかな……。


またまたまた、そういう冗談はいいから

とか激しくツッコミ入れるところじゃないの。


“やっぱりってどういう事?”


手を震わせながらそう打ち込んでみた。

するとまた直ぐに返事が返ってきた。


“父さん、つまりお前のじいちゃんが生前言っていたんだ。

その家は異世界に繋がっているってな“


“そんな話信じたの?”


“俺もその目で見るまで信じていなかったが

中学2年生の夏休みに遊びに行ったときに

ちょうど中庭に魔獣が出てな。

それをじいちゃんが鉈でばっさり狩ったのをみた“


“そうなんだ……”


“確か……ビッグサングリアとかいう

イノシシのような魔獣だったよ。

食べたけと相当うまかったよ、もう一度食べたいくらいだ“


父さん、その魔獣の肉……

今うちの業務用冷蔵庫にパンパンに詰まってるよ。

とは流石に言えなかった。


“俺がこの家を受け継いだからもしかして

滞在している時に異世界に繋がるかもって期待していたが

お前が選ばれたか“


“どういう意味?”


“誰でも言い訳じゃない。

()()()()()()()()()()のだと言っていたな“


何基準なの?

こんなに期待している父さんを選んであげてよ異世界さん。


“私……元の世界に帰れるのかな”


“それは大丈夫だと思う。

父も行ったり来たりしていたみたいだからな。

期間は決まってないみたいだから、そのうち戻れるだろう“


そんなあっけらかんとしていていいのか!?

娘が異世界に行っているのだよ、父よ。


“まぁ状況がわかってよかった。

母さんにもそう伝えとくわ“


“ちょ……待って!

母さんにもこの話をするの?

頭おかしいと思われるわ。

失恋のあまりヤバい世界に行ったと思われたくない“


焦ってそう打ち込むと信じられない答えが返ってきた。


“大丈夫だ、母さんもこの家に初めて来たときに

たまたま異世界に繋がってな……

結婚祝いに、妖精の女王からはちみつ貰ったぞ。

それじゃあ、体にだけは気をつけろよ“


はぁあぁぁぁあああ?

妖精の女王から結婚祝いって貰えるものなの!?


意味わからん、うちの家系ヤバくないか大丈夫!?



それ以降またスマホはうんともすんとも言わなくなった。


衝撃の事実にぐったりしてしまい。

その日は、そのままぼーっと過ごして終わった。



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