エピソード7:オーク狩り
前哨砦みたいな場所を抜けて、ウサ助を実体化し、騒がしい方に案内するよう指示してから、グラハムさん達に尋ねた。
「そんなにオークが大量にいるなら軍隊の出番なんじゃないんですか?」
「普通ならそうかも知れない。だが、今すぐ街が危機に陥るほどかというとそうでもなくて、この町アルカストラが、北にある隣町と不穏な空気になってて、兵士達に召集がかかってるから、なるべく冒険者に済ませてもらいたいらしい」
「戦争になるのかしら?」
「せめて小競り合い程度で収まるといいんですが。ちなみに、どんな理由で隣の町と緊張が高まってるんですか?」
「噂だと、元々代々仲がそんなに良くない領主同士だったのが、近代になってから、芸術の造詣のそりがあわなくなったとか」
「何ですかそれは」
「この地域は、芸術家のパトロンになる貴族が多くて、この街、アルカストラも有名な画家を何人も輩出してる事で有名だわ。北にある隣町ムンバクもそれなりに有名だったんだけど、先代が浪費家で増税を課すようになって、まだ稼げない芸術家の卵がこっちに逃げてきて、それが今の差につながってるとか聞いた事があるわ」
「さすが貴族のお嬢様ですね。詳しい」
「今のなんて街の噂話よ。ところで、今はどこに向かっているの?」
「ウサ助の耳に頼って、より騒がしい方に案内してもらってます。そろそろ見つかるんじゃないかと」
そうして前哨砦から十五分ほど歩いた辺りで、二体のオークと戦っているパーティーを見つけた。前衛が4人に後衛が2人。屈強そうな戦士二人が一匹ずつの正面を受け持って、遊撃の敏捷系戦士と盗賊ぽいのが一人ずつ。あとは弓使いと魔法使いが一人ずつで、均衡が取れたというか、けっこう綱渡りそうな戦闘を繰り広げていた。
私は気づかれないくらいの距離までこっそりと近づき、より傷が少ない方のオークをスケッチしたけど、傷はそのまま再現しなくていいよなと思い、傷が無い状態でスケッチしてみてどうなるかを試してみる事にした。
2ページにスケッチし終わった所で、ウサ助が新たなオーク達が接近してきてる事を知らせてくれた。それも3体。距離はもう30メートルも無いくらいで、いつこの戦場に駆け込んできてもおかしくないくらいだった。
私は思いつきで、ホブ助やオークのスケッチ達の胸に「アヤ」というのと同じ発音になる言葉の文字を描き込み、後ろに控えてた二人も呼んでから、近くで戦ってたパーティーの後衛に呼びかけた。
「オークの増援が来ます!三匹!あちらは私達が受け持ちますので、ここにいる二匹のトドメは刺して下さい!」
その時にはもう視野には納めてたようで、すぐに覚悟を決めてくれた。
「出来るんだろうな?」
「魔物召還みたいな事をするので、オークを攻撃するオークとかには手を出さないで下さい。お仲間には徹底させて下さい!」
「わかった!」
その魔法使いさんは弓使いさんと手分けして、パーティー内に伝達してくれた。
私は急いでオークを二体召還し、スケッチしておいた長い鎖二組も実体化した。すでにオーク達と戦っていた戦士さん達を見つけて駆け寄ってきていた増援オーク達のうち一体に、トン助1とトン助2が振り回した鎖の先の鉄球を打ち込んだ。
その内片方が頭部に命中。頭部に鎖ごとめり込み、一撃で地面に打ち倒した。増援オークの残り2体は驚いて、人間のパーティーにではなく、トン助達に丸太を振り回してきた。
「トン助1とトン助2は片方を拘束して!グラハムさんは、残り一体の気を引いて、こちらに背中を向けさせて下さい!」
オークの知性なんてたかが知れてる筈だけど、相手の丸太を鎖や素手で受け止めて、鉄球の先の鎖で相手の片手と片足をうまく拘束して地面に組み伏せてしまった。さすがに、オーク同士の戦いなら数が多い方が当然有利になるらしい。
グラハムさんは、長さ1.5メートルに調整した鎖の腕の先の鉄球で残りのオークのくるぶしを打ち据え、相手の丸太の一撃をかわしながら背後へと回り込んだ。
当然、オークは後ろを警戒して振り向く。
私はホブ助1から3と、鉄槍3本を実体化してオールジーさんに言った。
「ホブ助達に槍で突かせたら、魔法でトドメを刺して下さい」
「分かったわ!」
グラハムさんが上へ下へと攻撃の目先を変えてヘイトを取ってくれてる間にホブ助達は重い鉄槍をオークの背中へと突き込んだ。これだけでもほとんど致命傷だったろうけど、昨日よりも二割増しくらい大きな火の玉がオークの頭部を弾き飛ばして、オークその3は地面に沈んだ。
私がホブ助達に、地面に拘束されてるオークその2のトドメを刺させた後は早かった。その1にも念のための一突きというか三突きをくれた後は、まだ最初の二体を倒し切れてなかった片方のオークを、トン助達が素手で拘束。前衛と後衛の全力攻撃を受けて残り一体に。
そちらもグラハムさんが全身の力を使って振り回した鎖の先の鉄球でかかとを強く打たれて集中が乱れたところにオールジーさんの火球を受け、後は全員にフルぼっこにされて沈んだ。
うん、人助けは気持ちいいね!経験値も一体で12とか、非常においしいしね!ウィンウィンてやっぱ理想だよね!
助けたパーティーの側のリーダーらしい戦士と魔法使いが、私の魔物達にびびりながらもお礼を言ってきた。
「アヤというのか?助かった。礼を言う」
「いえいえ。困った時はお互い様です」
「そう出来る者は実際問題少ないがな。しかし五体もの魔物を召還?なのか?それで魔力切れも起こさないとは大したものだな」
「はは。けっこうぎりぎりですよ。じゃあ、私達はここから離れて狩るんで」
「あ、ああ。もし良かったら」
「止めとけ。こちらが寄生する事になる」
「そうか。そうだったな。気をつけろよ。オークの上位種が時折混ざる事もある」
「ご忠告ありがとうございます。まだここは初日なので慎重にいきますよ」
「そうか。お前達なら大丈夫だと思うが、がんばれ」
「はい。それでは」
ホブ助達が、オークの討伐証明となるその豚鼻を切り落としておいてくれたので、昨日寝る前に複製しておいた背負い袋に入れて彼らに背負ってもらった。魔石は私の魔石袋へ。
ちなみにこの世界のオークは、雑食で当然人肉も食らうので、食材としての価値はゼロ。いくら食べれば味は良いかも知れなくても、ねぇ?ゴブリンとかと同じく、その肉は買い取り対象にも含まれていなかった。なので、討伐証明部位と魔石以外は放置一択だった。
それからもオークを狩り続けた。なるべく少数を狙って戦い始めても、すぐにどこからか増援が1ー3匹といった単位で現れてくる。私はトン助3とメイ助も追加で実体化して、何とか間に合わせていた。
ちなみに、ステータスのMP以上の実体化を実現してるのは、昨日狩った大量のゴブ達の魔石だ。一つでMP1-2くらいにしかならないけれど、それでも十個以上でおよそMP10以上にはなる。緊急用の外部MPとして、魔石はかなり重宝した。ちなみのちなみに、MPを使い果たした魔石は捨てたのだけど、実体化した魔物達が拾って食べていた。おやつ感覚の何かにはなるらしい。魔力がまだ残っている魔石も欲しそうにしてたけど、食べさせればもしかして何かあるかも知れなくても、とりあえずはまだ与えないでおいた。貴重だからね!
昨日の狩りを終えた時点でレベル5になって、上げたステータスは、素早さが2と、知性が2。恩恵としては、描く速度が1から2割くらい早くなって、MPが20増えた。
MP70。自分と同ランクの魔物を実体化するにはMPが10かかる。ランクは、HPとMP以外のステータスを総計した十の位で判断される。アイテムのはまた別の計算式というか価値判定があるらしい。今朝時点のステータスの総計は、24。
レベル:5
生命力:3
力強さ:2
器用さ:7
素早さ:5
知性:7
HP:30
MP:70
ホブ助のステータスはこんな感じで、ウサ助やゴブ助と同じランク2とはいえ、内容はかなり上。
生命力:5
力強さ:5
器用さ:3
素早さ:4
知性:3
HP:50
MP:30
スキル:統率(自分よりステータスが低いゴブリンを支配し、命令通り動かす事が出来る。成功率は、統率者と統率される側の知性により変動する)
オークはもっと強かった。堂々のランク3。
生命力:10
力強さ:7
器用さ:4
素早さ:5
知性:4
HP:100
MP:40
自動再生:MPの続く限り、一分にHPを1回復し、負った傷は再生して治療する。死亡した場合、MPが残っていてもこのスキルは発動しなくなる。
自分と同ランクの魔物やアイテムの実体化にはMP10かかり、ランクが1個上の魔物やアイテムなら、1,5倍の15かかる。オークや彼らに使わせた長い鎖は全部ランク3だったから、15x2x2で60。つまりここまでですでにぎりぎりだった。
全体が鉄の槍はぎりぎりランク2で、ホブ助3体でMP30と、鉄槍3本でMP30で、昨日稼いだゴブの魔石の1/3以上を消費して間に合わせた。
鎖や鉄槍は、本来なら昨晩召還しておきたかったけれど、今朝武器屋に寄る予定があったから、狩り場に移動してからになった。とても重い物を運んでたらそれだけで体力消耗してたろうし、街道を魔物と一緒に移動して運ばせてたら、悪目立ちもしてたろうしね。仕方ない。
稼いだオークの魔石も使ってトン助3とメイ助まで実体化したのは、出来れば今日中にこのオークの群を狩り尽くす所まで持っていきたかったのと、輝人や茜とは違うメダルの反応を、街の外に感じて、それがじわじわと近づいてきていたからだった。
この街の近くで輝人や茜と戦う以外には、この一人と戦っておかないと、一ヶ月に一枚のノルマがこなせずに、ランダム対戦での殺し合いを強要される事になる。どっちの方がお得かなと内心算段しながら、狩りは続き、お昼を迎える頃までには20体以上のオークを倒し、レベルは8を越えていた。
レベルアップに伴うステータスポイントは保留しておいた。
堅いパンにハムと野菜を挟んだサンドイッチかバーガーもどきの昼食を終えた後、偵察に出していたウサ助達の案内に従って、よりオークがたくさんいる方へと移動していった。
森の奥深くへと移動していくと、唐突に森が開けてオークの村があった。そんなに広くはなかったが、50体くらいのオークがいた。魔法使いていうか祈祷士みたいのとか、リーダー的なのまでいた。とりあえず遠目にスケッチできるだけしておいたけれど、50体を相手に自分達だけでしかけるほど無謀にはなれない。
じわじわ近づいてきてるメダルの反応も無視できなかった。追えば逃げていきそうで、さりとてこちらが無謀な戦闘してれば突っかけてきそうだった。
グズグズ迷っていれば、輝人や茜がやってきて、メダルを横取りされる危険性も、オーク達との戦闘に乱入される可能性もあった。経験値もお金もどちらも逃したくは無かったので、覚悟を決めた。
「複製を使います。でも、その前にいくつも準備があって、グラハムさんとオールジーさんには別にお願いしたい事があるのですが、聞いて頂けますか?」
私はさっきスケッチしたオーク・チーフと、青竜の牙でスケッチしておいた大剣と大盾も実体化させて装備させた。とても強そうだった。
さらにウサ助2を実体化し、メダルの反応を感じる方へと、グラハムさんとオールジーさんの案内を頼んだ。
「つまり、昨夜訪ねてきた者とその仲間以外の相手が接近してきているので、その者を拘束して欲しいと」
「はい。たぶん黒髪黒目で、昨日自分が見せたようなこの世界ではありふれてない服装をしてると思います。そして、拘束できたのなら、このウサ助2を返して下さい。拘束に失敗したり勝てなそうなら、一緒に逃げてきて下さい。
チェイン・アームよりはもう片方の武装の方が良いでしょうね。チェイン・アームは、ホブ助にでも使わせておいてみます」
「わかった。期待に応えてみせよう」
それからしばしMPを回復を待ちながら、戦場の設定などの仕込みをしつつ、グラハムさん達の首尾待ちともなった。
村からいったん離れて周辺をうろつくオーク達を狩ってレベルは9に上がった。オーク・チーフは、オーク達の統率スキル効果を持っていたのと、装備させた大剣と大盾の力もあって、かなり戦闘は楽になっていた。
このままレベルを10まで上げてステータスに割り振ればランク3になる。そうすれば実体化も複製も負担がかなり楽になる。今日一日だけで目標額以上稼げていたので、無茶をする理由は薄くなってきていた。さらなる安全マージンを稼いでおくかどうか。そしてすでに自分は稼いでおく方に賭けていた。
オークの村にそれなりに近い場所で狩りを続けていたせいか、オーク・チーフに率いられた団体さんがやってきた。オーク・チーフと祈祷士みたいのに率いられたオークが二十体。
対するこちらは、チフ助が1に、トン助が3、ホブ助3に、メイ助1にウサ助が1。見た目の戦力差は、明らかに相手が上だった。
チフ助を殿に、予定していた戦場へと引き下がっていく。装備の差もあって、相手の丸太を叩き切り、大盾で弾きながら、一体、また一体と狩ってくれてる。
トン助達も、丸太を振り回すには不向きな場所で鎖を直線的に飛ばして、左右から回り込もうとする敵を牽制してくれていた。
私は、彼らが誘導してくれてる先で、トン助4から6を実体化。彼らは、あらかじめ鉄槍を持たせたトン助をモデルに描いていたおかげで、鉄槍を装備した状態で実体化した。夢が広がる!
さらに、貯めておいたオークの魔石のいくつかを使って、彼らを3倍に複製。同ランクの魔物を実体化するにはMPが10かかるのに対し、複製なら5。ランク3のオークの複製には10かかるけど、ここは必要経費だと耐えた。オークの魔石でだいたい10-12MPは補填出来たから、消費は8個で済んだ。
こちらを追いつめたと思った敵勢は、周囲に突然現れたトン助と複製達に驚いた。彼らは鉄槍を、一番乗りでチフ助を攻撃しようとしていたオーク・チーフに向けて一斉に投げつけた。総数十二本の内十本の鉄槍がオーク・チーフに突き立ち、その内数本が急所を貫いて一息に絶命させた。私のレベルも上がり、ここぞとばかりに、大剣と大盾を装備した状態のチフ助を2体複製し、一斉反撃を命じた。
メダルの反応がゆっくりと近づいてきてたけど、先にこちらを片付けられそうだった。私はオーク祈祷士をスケッチしつつ、複製した魔物の動きを確かめていた。ランクが一つ落ちるというだけでなく、より魔物らしいというか、頭が悪くなっている様な気がした。
スケッチから実体化した魔物は以心伝心で動いてくれるとしたら、複製した魔物は、理解するまでにしばらくかかる感じだ。
でも、ホブ・ゴブリンやオーク・チーフみたいな統率持ちがいれば、そのデメリットはほぼ解消されるみたいだった。100点と50点という極端なグループが、75点で統一されるみたいな。
複製した魔物を優先的に前に出し、その後ろから「x助」達に叩かせるようにして、犠牲を減らした。ページは貴重だからね。
オークの祈祷士と十五体のオークを倒しきった時には、五体のオークは村へと逃げ帰り、こちらの犠牲は複製したチフ助の一体と、トン助が四体だった。
私は生き残った魔物達に魔石を取り出す事を命じ、複製した魔物達には周囲の警戒を命じ、実体化してみた祈助には、彼が使える回復魔法で、複製でない魔物達の傷を優先的に治療させた。
やがて、ウサ助2とグラハムさんに縄で引かれた男子生徒が一人とオールジーさんが現れた。
「大丈夫だったみたいね」
「そちらも、大戦果じゃないですか?」
「大盤振る舞いしたから。それで、だいぶ時間かかったみたいだけど、何かあったの?」
「こちらを見つけたらすぐに逃げ出されたんです。かなりの早さで、自分とオールジーだけだったら間違いなく逃げ切られていましたが、この角兎が相手の足に傷を負わせてくれて。それでようやく追いかけっこが成立するくらいになったのです。途中何度もオークなどに絡まれそうになりながら取り押さえる事が出来て、そのままそこで待つよりは連れてきた方が早そうだし安全そうだったから連れて来ました」
「そう。ありがとう。えーと、そこの人、何て名前?ああいいや、名乗らなくてもいいけど、あなたが得ていたスキルは何だったの?教えてくれないと、楽には逝けないかもよ?」
「足立健二だ。陸上部。走る事にはそれなりに自信があったんだけどね。見逃してもらえないかな?」
「だめ。私がランダム対戦で見逃してもらえないから」
「君が誰だか知らないけど、同じ教育を受けてた、平和を愛する日本人じゃないのか?互いに殺し合うなんて間違ってるとは思わないのか?」
「日本人だし、殺し合わなくて済むならそれが一番だと思うけど、そういうお題目大事にしたまま殺されてあげる訳にはいかないの。それで、スキルは?」
「・・・答えたら、すぐに殺すのか?」
「余計なのがもう二人、こっちに近づいてきてるみたいだしね。時間が無いの。ちなみにその二人がここに来たとしても、あなたが殺されるのは変わらない」
「確かに近づいて来てるな。どうせ殺されるなら、俺を誰が殺すのかで争って、俺が逃げる機会を作ってくれればいいのに」
「死にたいのね。じゃあ殺しておくわ」
私はオーク達に槍ぶすまを形成させて逃げ場を無くし、チフ助に大剣をふりかぶらせた。
「言うっ!「夜目」だよ!言ったんだから」
「ありがとね。冥福を祈ってあげる」
チフ助は大剣を振り下ろし、名も知らぬ、いや足立なんとかという陸上部員を左右に両断した。私はその死体に近づき、メダルを手にし、手つかずだった財布も中身ごと入手した。
一分も経たない内に、私の犠牲になった誰かの死体は消えてしまった。その間も二人のメダルの反応は近づいてきていたので、私はゲットしたメダルの内容確認を先に済ませておく事にした。
メダルは、俊足の神のものだった。レベルが1だったせいかも知れないけど、ウサ助の瞬発力に勝てないくらいだったのだから、大した事が無いと見て、私はディルジアの加護のレベルを上げる事にした。
加護レベル2で得られた追加のユニークスキルは、「修繕」。スケッチして実体化した対象を負ったダメージを、スケッチブック上で手を加える事で、負った損傷などを描き消す事が出来る、という物だった。
もちろんタダではなく、修繕した内容に応じてMPを消費すると書かれていた。自分の手勢限定だけど自分でヒール出来るようになったのは、たぶん大きい。
私は、二人が近づいてきてる方角に向けて魔物達を布陣させ、グラハムさんとオールジーさん達にはまた別行動を頼んだのだった。
2021/11/1 誤字訂正など