新・都市伝説 4
これは都市伝説より怪談になるのかもしれないが、深夜に空車で走行していたタクシーが、白い服の女を乗せた。
目的地に着いて、運転手さんが声をかけると・・
女は消えていて、座席が濡れていた。
昨今は、もっと過激な事例が増えつつある。
目的地に着くと、女が燃えたり、爆発したりする例が。
当然だが、車内だけでなく、タクシーの車体に重大な損傷が生じ、運転手さんがお気の毒なことになった事例も。
タクシーの前後や、隣の車線、対向車線を走行していたクルマが被害を受けたことも、少なくない件数にのぼっている。
ただし、政府がマスコミに強力な管制をかけているため、新聞やテレビ等ではまったく報道されていない。
この管制は「令和の治安維持法」と言われる、ある法律によって担保されている。
運転手さんの中には、身体は大きな難を免れた人たちもいたが、証言の中で警察が重視しなかった語句は、
「外国人の日本語みたいな感じでした」
これで、一連の奇怪な事件の背景を瞬時に認識できた専門家が。
これも報道されていない。
専門家は国から厳重に口止めされている。
今後の状況は不透明。
いつ事件が起きるかを決める「伏線」は、予測が至難。
タクシー業界のホンネは、深夜に白い服の女の乗車を拒否したいところだが、
過当競争が解消されない限り、客を選ぶことはできない。
(完)