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part8

 夜のとばりが下りる街並みは昼間とはまた違って見える。

 カーテンを閉め真っ黒に染まった家々が私を見下ろして来ているような、そんな気がする。

 私は当てもなく彷徨いながら、独り考えていた。

 どうやって死のう?

 首を吊ろうにも縄がない。

 手首を切ってしまおうか? お母さんと同じ死に方なのは悔しいけど。

 そんな事を考えていると、ふと雲の切れ間から月明かりが私の行く道を白く照らし上げた。

 夜空を見上げ、私は呟く。

 ありがとう。

 世界がやっと優しくしてくれた。最後の、最後に、やっと。

 夜空にはターシャの目のように真ん丸なお月様が浮かんでいた。

 ねぇ、ターシャ? どうしようか?

 私は世界のどこかにいるターシャに語りかける。

『あの場所に行けばいいじゃん』

 もうすっかり板についた白石さんのサバサバした喋り方でターシャがどこからか応えてくれる。

「そうだよね。私もそう思ってた」

 どこか遠くでパトカーのサイレンが響く。

 私は夜の街を歩き続けた。


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