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戦う!エコライフ

作者: 3103

7年ほど前、『マタニティライフ』(小説家になろうで公開中の完結済小説)の自費出版を勧められた出版社様から「今度エコライフについてのエッセイ集を出すのですが、そちらに書いてみませんか?」とお声掛けいただいて書いて送ったものです。

「自費出版をしてもらえれば優先的に掲載します」との事でしたので、お流れになったものと思われます(出来上がったエッセイ集を買っていないので確認出来ていないし、その後連絡無しのため不明)。

エコライフについてのエッセイです。

短いのですぐに読めます。

こんな文章も書いていたんだな、という記録として投稿します。

 私にとってのエコライフとは「戦い」そのものだ。


 とにかく一番の敵は「夫」だ。この人がまたエコから一番遠い所にいるんじゃないかと思えるくらい、エコに対して非協力的なのだ。

電気は点けっ放しだわ、水は出しっ放しだわで、エコだの節約だのの意識がまったく無い。


しかし8年ほど前、そんな夫に試練が与えられた。住んでいる地域のゴミの分別が厳しくなったのだ。

もちろん、厳しくなったと言っても「生活ゴミ」「カン・ビン」「粗大ゴミ」くらいの分別は元々あったので、「プラスチック(リサイクルマーク付)」「ペットボトル」「スプレー缶」など、いくつかの項目が増えた程度だ。聞くところによると、徳島県の上勝町はゴミ分別は、実に40種類以上とも言われているから、そんな地域に住んでいる人達にしてみたら何てことないハズなのだ。

 だが夫にしてみれば、この「プラスチック(リサイクルマーク付)」こそが曲者だったのである。


 まず、夫は容器などに付いているリサイクルの表記を見ない。見るのが面倒なら聞けばいいのだが、聞くのも面倒臭いのかそのままゴミ箱に入れる。それを見つけた私が注意すると、「じゃあ、代わりに分別してくれたらええやんか」と言う。

近頃は学校でもエコに対する意識が高く、授業などでもその学年に見合った指導をしてくれているようなので、子供たちはリサイクル活動には協力的だ。

「親は子供の手本にならんとアカンやろ!」と私から何度もきつく言われ、夫はしぶしぶ協力する事を誓ったのだった(とはいっても「出来るだけ」の枕詞が付いていた)。

 すると今度は別の問題が発生した。分別してくれるのは良いのだが、今度はでたらめな分別をしだしたのだ。


プラスチックの所に汚れたままの容器を入れる(汚れている場合は洗わなくてはいけない)。紙のラベルが付いていてもそのまま入れる(ラベルが紙の場合、剥がさないといけない)。ペットボトルごと入れる(キャップとラベルのみプラスチック。ペットボトルは別で回収)。

 その都度、これは洗ってから、これは剥がして、これは別々に……と注意すると夫の機嫌を損ねてしまった。

「もう分別せぇへん!面倒臭い!」そう言ってまたゴミを全部ゴミ箱に入れるようになってしまった。

なんやって?!なに勝手な事言うてんの!そんなもん、私だって面倒臭いわ!いちいちいちいちアンタに注意せんとアカンし、元々がマメな方やないんやから、私だってしんどいわ!でもルールなんやから、ちゃんとしてるんやろ!と、心の中で叫ぶ……。もちろんどんどんストレスが溜まっていく。

これを「戦い」と言わずして何と言おうか?!

それでも私はぶつぶつ言いながらも今日も夫の出したゴミを後から分別していくのであった。正直なところ、面倒臭い……。


そんな中、諸悪の根源である夫から悪魔のような囁きが聞こえてくる。

「いちいち洗ったりしてたら、水がもったいないんちゃうか?時間ももったいないし。それに今までは一緒に燃やしてたんやから、そんなに神経質にせんでもええんちゃうん?別に分けんでも、ちゃんと燃えるで?」

うっ!そんな事を言われると、私の面倒臭がりの虫が動き出しそうになるではないか!



……そうか、本当の一番の敵は「私自身」なのかも知れない……。

今回掲載するにあたって、当時『1年前』としていたところを 7年ほど経過しているので『8年前』とし、上勝町の分別の種類の数がネット上で複数あがっている事で特定出来ず曖昧に『40種類以上』としています。

その他、一部推敲しています。

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― 新着の感想 ―
[一言]  夫婦のすれ違いというのはゴミの分別からさえも来てしまうんだなと小説を読んでいて思いました。
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