回想編!
「桜舞う四月――」
「私、箕愿蟳未と萬裡舞月は出会っ…ブフォッ。」
「なにがおかしい!」
「だってこの面子でシリアスな語り……マジウケるあはは…ごめんなさいマジ反省してますぐぎゃっ。」
「う、うるさい!私も我慢してんだよ!」
「はー、死ぬかと思った。」
「殺す気で殺ったのになぜ…?」
「殺す気だったのかよ!」
「うるさい回想いくよー」
「目が死んでるぜ舞月さんよ…」
「さあ気を取り直して回想だー!」
「と言っても私たちがひたすら美化された思い出を語り合いどちらが正しいかバトるだけなんだけどねー」
「言わなくてもいいことを言うな!!」
「へーい。」
「えっと……私の思い出は……待ってこの空気で言うの!?嫌なんだけど先に言ってよ!」
「私も嫌だし〜♪」
「♪じゃねーよ!」
「もー、仕方ないな。私が手本を見せてやるよ!」
「きゃーかっこいー」
「棒読みで言ってんじゃねーよ……」
「そう……あれは桜が舞う四月のある日のこと……」
「なにカッコつけちゃってんの(笑)ある日って入学式でしょテキトーなこと言うなよ。」
「うっせーな鞣すぞ凡人」
「怖っ!?」
「ゴホンッ。咲き誇る桜の下で、私は一人佇む長い黒髪の美人を見つけた……」
「ちょっとカザミさん!?なに私の視点で語ってくれやがっちゃってるんですか…?あんた自分で美人って言っちゃってません!?」
「私は凡人が何を喚こうが気にしない…何故ならヤツに人権などないから…」
「さらっと私の人権が殺された!?」
「私は吸い寄せられるように桜の木の下へ向かった…。しかし!数瞬前まで私の視界にいたはずの彼女は、私が木の下に着いたときにはもう!…隣の木の枝に腰掛けてこちらを見て微笑んでいた…」
「ちょっ!いくらあなたが超天才トンデモスキル持ちだとしても、そんな瞬間移動なんてできないっしょ…」
「やかましいわ黙って聞け凡人鞭…蒸されたいのか」
「今結構聞き捨てならない言い間違いがありませんでしたか…?」
「私はびっくりして、彼女を見つめた…。すると彼女は私の足元を指差した。私の足元には、一本のスコップが転がっていた。」
「ここまで来ると露骨だなオイ」
「私はそのスコップで地面を掘り始めた。」
「そこ掘っちゃう!?それ骨が出てきてキャーってなるヤツでしょホラーでしょ!?」
「地面の下から徳川の埋蔵金とか出てこないかなー、とか軽く願掛けしながら…」
「違ったコイツ守銭奴だ…」
「しかし私のそんな切実な願いを裏切って…」
「さっき“軽く願掛け”って言わなかった?」
「掘った穴から出てきたのは、“My”と書かれた雑巾だった…。私はハッとして周りを見回した。」
「オチは埋蔵金かよ!ここまでの流れ何だったの!?」