祈りは僕らのためじゃない
君の瞳には
これから何が映るのだろう
幾百の星と幾千の幕と
終わりを目にしてしまうのだろうか
初めは誰しも
未来だけを見ていたはずで
過去のことなど知る由もなく
語ろうとすらしなかっただろうに
兵たちが過ぎ去った代わりに
生きようと
果たそうと
躍起になって無茶をする
痴がましくも生きるためだと
恥知らずにも誇りのためだと
言い聞かせて
突き飛ばして
それが一体なんになるか
君の瞳には
これから何が映るのだろうか
何を映してやるのが好いだろうか
決める権利は僕にはないけど
いつだって誰しも
今を見ていると思っていたのに
いつの間にか囚われて
駆られて老いて朽ちるのは嫌だから
無価値だろうと果たすためだと
弔いだと
贖いだと
それで僕には何が残る
彼らの目には
これがどう映っているのだろう
幾百の星と幾千の幕と
終わりに見えているのだろうか
浸るのも憚られると
鬱ぎ込んで
黙り込んで
目を背けるだけだったのに
「今になってどうして」は
僕らを逆撫でするだけだけど
呟かずにはいられない
君は仮初めの中で産まれて
それが現実だと知っているから
僕らは知りたかった訳じゃない
納得したことなんて一度もない
「今になって」じゃない
「今だから」
未だ来ぬ者に縋りは出来ないから
君に期待を背負わすけれど
本当は
実のところは
僕が何より叫びたい
焦がして壊して狂わせて泣かせて
何より稲妻が落ちる瞬間を
その光景で心を満たしたい
……その祈りは誰のために
その苦しみはなんのために
今のところこれが最後ですね。
もしかしたら、これからも詩なんぞ認めることがあるかもしれないので、完結させずに放置させておきます。